安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


-------- ----------------------------------
激化するシリア内戦にも無関心なワケ
------------------------------------------
( 2012年 7月 31日 火曜日


●反体制派に闊達な武器援助
シリア 政府軍のアレッポ掃討作戦は一段落したのでしょうか、中心部は市民が却って来れないほど破壊し尽くされている。反政府軍はというと、別に軍ではない烏合の衆が糾合したバラバラなグループだが、武器はふんだんに入ってくるようだ。

入ってくるのはしかし武器だけではなくて、アラブのジハード戦士やアルカイダが勝手に活動している。彼らはアサドも敵だが西欧文明と名のつくものは新聞記者から赤十字や諸外国の医師団、人道支援の女性でも殺す。さきに誘拐されていた西欧記者数人を身代金目当てに誘拐したのはジハードの連中だった。監禁中は『イスラムに改宗せよ』とそればっかり強要したという。政府と反体制、どちらも支援に値しない悩ましさがある。

●金食い虫国連監視団のムダ
そこまでいかないが、先に国連監視団ちょうであったノルウェーの軍人は「危険が高すぎて、監視団は機能不可能」と宣言して引き上げた。すると播が国連が撤退してはオレのメンツが立たぬとでもいいたげに小規模を遺して新ボスを任命した。危険の上乗せ給料をはらえば残る兵士もいるだろう。だがこの内戦を監視するとはどういう意味があるのか。そんなムダ金に中国よりロシアよりずっと多額の国連拠出金を払っている日本は何もいわない。シリアをたすけようなんて思いがおこらない。

さて新ボス一行のコンヴォイが爆撃され、死者はでなかったが犯人は政府側か反政府側か、どちらも勝手な過激派がいるので何とも言えない。監視団はなにも監視出来ないのである。

トルコは世界から観光客が倍増、周辺イスラム圏では最も景気がよい。政府は シリアと一戦構える気はないが、民間をとおして武器の集積基地と、 シリア自由軍への発送地、負傷者の医療や兵士の休憩地を国境に作っている。一戦を交えはしないが、ポスト・アサドを睨んだ布石である。

●オリンピックでも停戦しないシリア
アラブ連盟がアサドの亡命を打診している。こういう打診があるという事実は、政府倒れるのは時間の問題で、現政府が平和な国に治める希望は皆無なのだから。しかし誰に変わっても、ジハードやア原理主義者、アルカイダの連中をどうするか、また内戦ですか?どっちに転んでもロクな政府ができはしまい。それまで世界は静観する。食べ物と水を求める行列、医者がいなくなった病院、麻酔ヌキの患者……でもほかに何が出来る? わたしたちは見ないフリしてオリンピックか。ホッ!
それにしても素晴らしいロンドンオリンピックですね。(了)






Pnorama Box制作委員会


HOMEへ戻る