-------- ----------------------------------
無意味なアレッポ決戦
------------------------------------------
( 2012年 7月 27日 金曜日 )
●アレッポの無意味な決戦
天下分け目の関ヶ原、ともいうべきシリアの決戦が近づいた。シリア経済第一の歳であるアレッポを政府軍か反政府軍か、どちらが支配するか。シリアで豊臣と徳川のようにクランが明確ではないが、政府側のアラウィ派で反体制派が国民の大分を占めながら政権から排除されているスンニの決戦である。 中東のスンニ国であるサウジや湾岸諸国とそうはさせじとシーアのイラン、イラク、レバノンがアサドに肩入れするから、シリア騒乱を一皮むけば中東騒乱である。アサドの政府軍はアレッポ郊外に戦車隊や兵士を続々と終結させ、ヘリとミグ戦闘機で街を破壊する総力戦が迫ってきた。スンニ住民がどうなろうとおかまい無しの政府軍攻撃であるため、 殆どの住民は既に逃げ去った。反政府軍側には武器弾薬は余る程届けられているが、せいぜいトラックに載せるロケット砲まで、戦車や戦闘機は論外である。 このような状況では反政府軍に勝ち目はない。しかし問題はアレッポを灰燼に帰しても政府軍がアレッポを死守した事にならず全国を制覇ができないこと。市街ゲリラ戦に対して正規の軍事攻撃は効果がないという「非対称の戦い」である。ゲリラ側が勝利し、少なくとも負けない史実はベトナムで、リビアで、イエメンで、イラクやアフガニスタンで証明された。例外は武器援助が皆無の中国少数民族の戦いであろう。 ●グッドニュースから ▽トヨタが世界販売台数で二年ぶりにトップに返り咲いた。これぞ実力の二枚腰、よくぞ艱苦を克服されました。ひとり祝杯をあげております。 ▽TVニュースが「カガワ、カアガワof Japan」とサッカー試合で絶叫している。Manchester United のシンジ・カガワという選手が上海であいての中国チームを制した勝ち星ゴールを決めたのですな。あとで日本のニュースをみたら香川真司はスポーツ面の第ニュースになっていました。 ▽然様にサッカーの事は何も知らないのでありますが、スペインが欧州杯で優勝し、財政危機もあの日は徹夜の歓喜に酔ったのくらいは知っている。そのスペインにオリンピック一次リーグで日本チームが優勝候補のスペインを降した。先日なでしこジャパンがカナダに勝つなど、望外の出だし。メダルがとれなくてもいいから存分に戦ってください。 ▽ロンドン五輪開会式のリハーサルはラッキーな観客が口を揃えて素晴らしいという。日本人のセンスに合うかどうでしょう。中国は「北京の開会式の方が断然素晴らしい」と自讃するでしょう。しかしロンドンに来たロムニーも不覚だな、ロンドン五輪をけなした過去の発言が、首相やロンドン市長はじめ国民の顰蹙を買ってしまった。一生祟りますぞ。(了)
|