安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ベルゲンの日本桜(3)
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( 2012年 6月 11日 月曜日


●天の川の並木道
空港からベルゲンに入る国道のひとつ、少し回り道になるが南東の山側に西洋山査子(さんざし)の並木道があった。春と秋に家内の両親や叔母のお墓参りにゆくとき、この道を通る。春には濃いピンクの花をつけ、秋に赤く実る街路樹にしては珍しいこの並木道は長年親しんだ好きな風物詩であった。

二年前の春、例年通りお墓参りにゆくと、山査子がやせた糸杉のような桜並木に変わっていた。不思議な形だがまぎれもない桜である。色はうすいピンクで背丈2mまでは幹のまま、上部に花をつけた細い枝が幹に添うように上へ上へと向かって、先ッポが面相筆のようにとがっている。枝は公園課に訪ねると品種は「天の川」の改良型という。

山査子が老木のため近年は植え替えと薬物散布でなんとか治療してきたが,薬剤散布は環境に良くないということで全部植え替えるように決まったとの由。なんでも先のコラムでも紹介した当地大学の桜学者先生が大きくならず、枝苅りほかメンテナンスがかんたんで生命力が強い「天の川」を強力に推進して決まったという。天の川なら円柱状で横に伸びて道路の邪魔にならず、台木は4mぐらいだが成長すると7mぐらいで大木にならないのがよい。



●ベルゲンの日本庭園
以前一度コラムで紹介した日本庭園のことです。郊外、市内から車で20分かかるベルゲン大学の樹木園の中に一部、広大な敷地の日本庭園が3年前に造園された。日本の文化庁と、当地の自治体と大学が出資しているが資金の殆どは当地のフィラントロープが寄贈した。表に出ず、金は出すが口は出さない2代目実業家のM氏である。オープニングに居られたが、マイクにも立たずお歴々の挨拶に一般招待者に混じって立っておられた。

ときの故斎賀大使がなにかのパーティーで一緒だったM氏が日本庭園の計画がどうなっているのかと言うので、財源がなくて……と答えると「いくら要るの?出しましようか」と何気なくつぶやかれた。で、すぐ時のクリステンセン学長(オスロ大学日本語科の出身で文部省留学生で奈良女子大に在籍)「Mさんが出すと言ってるからすぐ電話して!」と伝えたという。

●広さ70,000F、三年がかりで完成
そうやって、池を作り、石庭、苔庭、銅板葺きの東屋など日本の庭園設計者と庭師のグループも来て3年がかりで2008年に完成した。広さでは欧州一、北欧の丘を借景にした趣向だが、日本人が設計した異国趣味などないホンモノのである。桜は,関山ほか4―5種あり、よく根付いて花を咲かせるようになった。



(続く)






Pnorama Box制作委員会


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