安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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エジプト、シャリアの国に後ずさり
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( 2012年 5月 26日 土曜日


●革命の灯火消えて
エジプト大統領選挙はムバラクが非民主的選挙で100に近い得票率で毎回独走、サダト暗殺で副から正規大統領に、以後29年独裁体制をしいてきた。そのムバラクを倒したのは民主政治をもたらすことにあった。だから自由選挙なのだが、倒してから選挙まで随分長くかかりました。長過ぎるのである。革命の余力が消えたといってよい。

選挙結果はムスリム同胞団のモルシと軍をバックにした前首相のシャフィクの決選投票である。どっちに転んでも過去に還る政権となる。かといって前アラブ事務局長ムーサや、結局立候補を取りやめた前IAEAのエルバラダイはどちらも能力ナシま、この二人に就いては悪いことばかり書いてきたので、この面ではエジプト有権者に良識があった。

●低すぎる投票率
おかしいのは投票率が50%という低さ、ジャスミン革命の影響で政権が倒れた国々も選挙では、必ずしも民主派が勝ったわけではないが、投票率は高かった。藝金80%はあっただろう。エジプトの50%は失業学生達をはじめデモを煽動した若者グループが、軍の圧力に屈して失望、投票棄権に動いた面がある。

ムバラク最大の失敗は産業の育成をサボったこと、なまじっか高等教育を普及しても職がなくては意味がない。そしてイスラム原理主義の党が最大の党になる確実になったいま、てこ入れすべき石油と鉱工業の進展はあまり期待できなくなった。(了)






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