安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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入れ墨と大阪市職員
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( 2012年 5月 22日 火曜日


●入れ墨がどうしていけないの?
橋下市長が市教員をのぞく全職員3万5000人に入れ墨調査を実施した。腕や足等人目に触れる部分は回答を義務づけ、ふつうは見えない部分は任意回答を求めている。そしたら案の定、未回答やら白紙回答が500人ほどあったという。人事上自分に不利な配置転換、人目に触れない職場なんてクソ面白くない職場に行かされる身になってみよ。答えにくいのは明らかだ。

しかし待てよ、未回答や白紙が長期病欠者を含めて、ン、500人……凄く少ないではないか。市職員、ある面とても従順なのですね。個人の権利を主張するよその民主主義国では考えられない従順さである。橋下市長は「税金で運営される組織で入れ墨は許されないというが、世界中に不問の組織がありますよ。どうしていけないの?

●人目につかない職場へ配置転換?サビシイ!
橋本市長は先に「タトゥー(入れ墨)が絶対的に悪とは言わないが、税金で運営されている組織では許されない。原則は消してもらうと述べた。消すといってもキレイに元通りの皮膚に還るわけではない。消す費用は市が出すのかな。公務員の現行労働法に入れ墨禁止条項などあるわけないとおもうが、橋下のセンスは民間も公機関も同じセンスで管理できると信じているようだ。民間企業にはそれぞれカラーがあり、入れ墨新入社員は取らないという社の規則があっても違法ではない。風呂屋や旅館、なぜか入れ墨経営者のパチンコやまで入れ墨客を禁止しているが、市役所職員に対しては人権侵害といえる。

橋下調査には教員が除外されているが、これなど内規が既にあるためだろうか。未回答者に憤慨、「昇進させない」と息巻くくらいなら、調査を除外した教員は未回答なので不公平ではないか。

●偏見
そもそも入れ墨はわたしの趣味ではないが、その手の趣味を持つ人が気に入ったアイコンやシンボル、またストーリーのあるモチーフを体一面に彫るのは私的な領域と心得ている。一般市民の拒否反応は「入れ墨イコールヤクザな人種」に起因する。生まれた体を改造する所作として、整形美容ならよくて、マユの入れ墨ならよくて、白髪染めならよくて、カツラもよいのはヤクザな人種に起因しないからである。これ即ち「偏見」である。

●ある看護婦志望者の質問
これはノルウェーでのハナシです。看護士希望の学生が「目につく入れ墨があるのですが、就職に差し支えるでしょうか」と質問。その回答です。
「ハロー、
あなたに支障をきたすことはないと思います。看護士も一般人とおなじで入れ墨やピアスをした人など、いろいろです。看護士にとって重要なことは衛生です。ですから仕事中は指輪や宝石類が許可されません。病原菌を蓄積しているためです。反対に入れ墨は全く清潔です。看護士としては専門的にすぐれ、コミュニケーションが上手で同僚や医師と協調して働くことが、(入れ墨より)はるかに重要です。
看護士(国立病院)より。(了)






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