安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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預金引き出し、パニックのギリシャ
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( 2012年 5月 19日 土曜日


●取り付け騒ぎ
ギリシャ中央銀行によれば、国民がギリシャの各銀行から引き出した預金額が月曜日に9億ドル以上、火曜日は6億ドルだった水、木、金の調査結果はまだ出ていないが、この3日間で5億くらい引き出されただろう。

債務危機が表面化した2009年からギリシャでは貯金がガタ減りして預金引き出しがジワジワとはじまっていた。ギリシャの銀行がまだ一行も破産していないことこそミステリーである。
●ユーロ借金の維持に奔走する市民
ユーロ圏から離脱した暁には、かつてのギリシャ通貨ドラクマdrachmaに還る。そのとき対ユーロでこのギリシャ通貨は暴落、ユーロで借金していた人は泣き面に蜂の被害を被ることになる。アイルランドが突然デフォルトしたとき、それまで英ポンドと対等のレートであったアイルランド・ポンドが急落、外貨ローンで家を建てていた多くの市民が茫然となったものでした。ギリシャはその轍を踏まないため預金は出す。しかし新築ローンを組む人ってふつうは預金がないひとたちだ。どうするんだろう。
●存続か離脱か、国民投票を
ユーロ圏17カ国からの一抜け・ギリシャ離脱は同国に二倍くらいの超インフレをもたらす。これまで潰れなかったふしぎな銀行もたちまち破産します。よって欧州のリッチは既に資産を圏外に移している。

それでもいいのか!とばかりメルケルが金曜日「パプリアスにギリシャ国民がユーロ圏に残ることを望むかどうか」を問う国民投票を提案した。同時にユーロ圏に残るなら追加支援を考慮すると伝えた。ギリシャ離脱による不気味なEU危機に必死なのだ。
●ロビンフッド・ポリシー
必死なのは英国キャメロンも同じ、だが英はユーロ圏でないため徹底的に意地悪くお金はださない。お金はメルケルが出せ、ギリシャはもちろんだがより以上に大事なスペインッ救済にドイツ国民の税金を使え、という論法。米仏伊西と歩調を合わせた「ロビンフッド・ポリシー」であり、8の主題である。(了)






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