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ギリシャの悪あがき
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( 2012年 5月 15日 火曜日 )
●斎藤茂吉の経済危機
またたくまも定まらぬ金位ききながら兎の惱の切片染めつ 1ポンド18ビリオン 斎藤茂吉がドイツ留学中、大正12年11月23日にミュンへんで詠んだ歌である。1922年、第一次大戦後欧州各国は金本位制に復帰、日本からの5年後には世界大恐慌を引き起こすのであるが、政府からの奨学金が実質どれくらい減るのだろうか、大学で兎の惱を研究中も気になる茂吉先生である。 第一次大戦後の投機やなんかで為替が乱高下した時代といまの欧州は同程度の危機だが、経済規模が数十倍になってしかも経済活動の国境がないいまのほうが、それはもう厳しい。 ● ギリシャの悪あがき ギリシャの連立トライ3度目も失敗、火曜日は失敗党首を集めて懲りないパポウリアス大統領が「挙国一致内閣」を斡旋している。この大統領バカじゃなかろか。ところがギリシャでただひとり人気を博しているのが、危機を救おうと総ての努力を惜しまないこの老大統領の姿、というからわたしゃたまげました。あす水曜日には結論出るらしいが、もし大団円が成立したら、はて、それでよくなる見込みはゼロなのですがね。 ●ユーロがないEU? 常識では6月10日頃にギリシャ再選挙、ユーロ離脱に向かう。金融筋はもう100%そのよみだ。スペインの最大銀行が実質国有化され、ドイツは恐々、最もよいとされるオランダでもユーロ圏の受ける影響に、離脱したい市民が声を上げている。でもユーロのないEUなんて考えられないし…… 緊縮財政はおのずと一般欧州人に不満をもたらす。耐えきれず2年近くなるとギブアップする気持ちはわかるが、フランスがオランドの成長戦略に乗ったのは歴史の過ちであった。成長戦略なんて耳当りのよい言辞だが、バブルのあとでさらにバブルを作ろうという政策だ。次世代の希望を摘み取る長い経済空白の時代を招くことになる。 ●一言多いオバマ 先日、オバマはEurope would be much better off had it just mimicked his economic moves.「わたしのやったような経済の舵取りをまねていれば欧州はウンと良くなっていただろう」ととくもまあ言ってくれました。欧州は怒ったゾ。成長策にあこがれをガマン出来なくなった欧州人もカチンときた。 オバマは信しられないほど財政赤字を膨らませたあげく、米失業率は横ばいだ。金融界と自動車業界を救けた(不法なトヨタ叩きを放置)が、米国民大多数の生活はよくなっていない。米産業はオバマと関係のない元気なIT産業で息づいているようなものだ。 ●オランド、実は豪奢な資産家 ところで社会党のオランド仏大統領は かつて「金持ちは嫌い」「フランスに革命を呼ぶ」と言った人だが、リヴィエラに豪華な夏の別荘を三つも持つっていた。資産13億円と言われる金持ちだった。最初の伴侶ロワイエルさんとの間に4人の子があり、いまは三度目の伴侶と一緒だが、正式に結婚したことは一度もない。さような男は人道に悖る。今日はわたしたちの結婚41年目の日なのでした。(了)
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