安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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クルージング閑話(2)
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( 2012年 4月 26日 木曜日


● 基隆 4月17日
船は台湾北岸を西に廻り、台北の客船港である基隆に到着。一行のみなさんそれぞれ台北に行かれたが、ケイスケと父と私3人は台北に行かず巨大な観音像が背後の山に立つ中山公園でぶらぶら歩くことにした。海岸から山裾に低い山が迫っている地形が神戸に似て、しかも小さい町で、朝から開いている夜市があるというので何事にもゆっくりのケイスケ君と歩くのによい。
そう思って山裾の寺に行ったら門前の階段が急で長い。とてもじゃないが上れないというのでタクシーで中腹にある派手な寺やもっと派手な博物館があるところまで行く。中国風極彩色の仏閣は生理的に好きでない我々には早く退散するに限る。町を見下ろす景色を見て写真をとってタクシー運転手がたむろする木陰で休憩することにした。

ここから頂上、目測でやく200mのところにたつ白い巨大な観音像までさほど遠くなさそうだ。ケイスケと彼の父を待たせて15分ひとっ走り上って見ることにした。ゲテモノを一見して絶景という展望を話しのタネにしておくつもり。ところが石段がハンパじゃない。息切れするころ頂上へ、汗ぐっしょりになった。大理石の巨大な観音さまをゲテモノ呼ばわりするのはご当地では天罰ものであろうが、大きなオモチャのよう。おなじ大きくても奈良の大仏が発する荘厳さや聖なる雰囲気はまったくない像である。

観音像から走り降りて30分近く待たせる結果になったが、帰りは下りだからラクだ、下へゆけばよかろうとタクシーどうろではない道を折り始めた。ところがしばらく行くと行き止まりなんですね。でも階段があるから行けるんじゃないか、戻るのもたいへん。さいわい急な階段に手摺がついているのでケイスケをはげまし一段一段おりはじめた。だが階段はジグザグに急な斜面をはるか真下の道路まで続いているようだ。こんなに急な斜面に家がへばりつくようにギッシリ立て込んでいる。10ぷんほどおりたところ横にも伸びる道に3人の老婆が不審そうな顔で腰掛けている。ニーハオと挨拶すると日本人ですねと日本語で返事、小学校で日本語を習ったがもう忘れたと言いながら、かなり聞き取り力はある老婆であった。30分以上かかったであろうか、やっと下の自動車道路までおりて上を見上げたらあの老婆が杖を片手に手摺を片手に階段を下りているのがみえた。あの自転車も通れない階段で結ばれた急岩壁の家々と住人に感動すら覚えました。


車同のない階段で結ばれた急斜面の家々。右写真は足裏のツボを刺激する通路。足拭きの湿したタオルを持参してハダシで歩くとよい。


いつか見たようなデジャブな路地の佇まい
(続く)






Pnorama Box制作委員会


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