安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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強権腐敗プーチンのロシア
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( 2012年 3月 3日 土曜日



●プーチンがよいという国民
日曜日ロシアの大統領選挙はプーチンが過半数を楽に獲得することになっている。人気が衰えたといえ、地方の中間層はプーチンが12年前に大統領になってから生活が良くなった、というしごく身近な体験から投票する。政治的な理由からではない。

たしかにルーブル貨幣が紙くずだった時代を振り返れば、経済は持ち直した。それはプーチンの経済政策が難を切り抜けたのではなくて、世界的な石油ガスの高騰で国難生産が軌道に乗り、欧州や中国への輸出で潤った。運がよかったのである。

●石油ガス権益を国有化
政府の財源を確保するため、国営石油開発公社を民間に払い下げ、民間の新興財閥オルガルヒたちからワイロを取っていた。民間は欧米ビジネス方式を取り入れ、生産量を急速に増やし、輸出で稼ぎ出したのである。プーチンがやった経済政策は儲けはじめた民間石油企業を国営化し、文句を言う経営者はシベリア送りに遇した。これがなんぞ経済政策か、強権腐敗政治による国有化である。以来公務員の不正受給は慢性化し、官僚の汚職逮捕は中国にはるか劣る。プーチンの責任だ。

ユコスのCEO・ホドロコフスキーはいまもシベリアのどこかで服役中である。ベレゾフスキーはロンドンへ逃亡した。またアブラノヴィッチのようにプーチンニに媚び入り忠誠を誓い、サッカーのチェルシーを買ったり、プーチンから知事に任命された日和見もいる。

反政府ジャーナリストはあらかた始末、メディアを完全に握ったプーチンは、勝つのがあたりまえ。先日は旧聞のチェチェンテロ犯人が選挙後にプーチン暗殺計画があったと言う(言わされる)映像を流して同情票を目し、ロシア正教聖職者の支持を放映、モスクワの反政府デモは西側の報道こそあれ、ロシアの地方には伝わらない。

●自由圏経済危機を活かせないジュガーノフ
自由経済の経済危機で揺らぐ欧州と米の苦境は、ロシア共産党に僥倖のチャンスなのだが、チャンスを行かせないでいる。ジュガーノフは今回も15%くらいだろう。今回は16年4回目の2位。ジュガーノフが止めて、反プーチン民主勢力に票を写せばいいのに・・ジュガーノフは結果としてプーチン与党を援護している。

●米抜き外国メディアとの会談
2日、プーチンが英加独仏伊日の編集者を招いて会見した。プーチンが民主化政策を、デモは鎮圧しない、野党との対話を欠かさないなどと好印象を与えるよう努めた。メドベージェフを後任次期首相に任命すること、権力にしがみつくのではなく、政治システムの自由化を推進するためと尊大である。こっぴどく批判したくてもロシアメディアはできないから独裁者は傲慢になる。アサドとは距離をおくがシリア政府を支持すると返答。次回2018年(憲法改編により任期6年に延長された)にも出馬するかとの問いには「それが正しく、人々が望むなら」。民主主義はオレサマの主義だった一昔前の政治家みたい。気負う人ほど末期哀れになるんですがね。

●北方領土と日本メディア
日本では北方領土の解決に意欲的との報道に終止している。1956年の『日ソ共同宣言』に固執する態度で、わが国民としては容認できない.歯舞、色丹は4島の面積からみれば豆粒、地勢的には根室半島の続きである。とはいえ、4島返還は非現実的であるから、国後、択捉での漁業権をつけて交渉してはどうだろう。(了)






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