安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


-------- ----------------------------------
赤字経営「赤心」の禊ぎ
------------------------------------------
( 2012年 2月 28日 火曜日



●関西電力の赤字
関西電力の11年度決算が、過去最大の赤字2530億円を計上する見通しという。同社の原発がすべて停止しているので、火力燃料費が増えた。燃料価格の高騰にもかかわらず、電力料金値上げを小幅に抑えた。エライというか外国では民間企業がみすみす赤字で売るなんて考えられないバカとおもうだろう。

ガソリンや電力を低く一定しなければ国民生活がなりたたず、暴動が起こる東南アジアや中東では、国が多大の補助金でカバーしている。だが、地区割りでモノポリーであっても、自制しているのは考えられないほど公共社会性に優れ、しかも役員報酬カットと取締役15%減額ですか、経営者の『赤心』に畏敬しております。

●禊ぎを済ませた経営者
東電の5800億円は判るが、他の電力会社も震災の影響で軒並み赤字である。ま、過去儲けすぎたので、赤字で禊(みそ)ぎを通過する必要があった。しかし2年続けて大損益をだすわけにもゆくまい。禊ぎを済ませた『赤心』は捨てられる。電力値上げは避けられない。20%くらいなら、原発全廃を望む人には喜び勇んで賛成できる電力料金値上げである。払えない生活難の人には国が補助する。

●日本の電気料金は高くない
欧州ではデンマーク、イタリアが脱原発、そのため家庭電力料金は非常に高い。ドイツとスイスは段階的廃炉と新たな原発建設を禁止してから料金は急上昇している。当地ノルウェーは原子力発電を持ったことの無い唯一の欧州国、昔は水力発電が安価といわれたが、いまや世界一の高い電力料金になった。日本は平均0.2$/kwh、ノルウェーは電力販売が自由化されているが平均0.5$/kwh、それにプラスして発電会社の基本料金平均で月額3万円ほど加算される。冬場の電気代は日本の4〜5倍、夏場で3〜4倍高いのである。(了)






Pnorama Box制作委員会


HOMEへ戻る