安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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強かなイラン
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( 2012年 2月 21日 火曜日



●時間稼ぎに利用されるIAEA
IAEA(国際原子力機関)のチーフ検査官ナカーツ(Herman Nackaert)が2日仕事でイランに入った。ことし既に2度目、今月中にもう一度イラン入りする予定がある。イラン核施設の立ち入り検査はいつもながら拒否され、書類チェックで意見交換におわる。緊迫したホルムズ海峡の緊張緩和にすこしでも役立てたい、というのが潘と天野の国連側期待値である。

昨年暮れ、イランが核弾頭製造につながる核実験を行った件ついて、説明を求めているのだが、ラチあきません。それで米欧は経済制裁の一つに石油輸入禁止を決めたのであるが、代替輸入先を確保する準備期間を考慮して7月からと通告したのである。

●宣戦布告より先制攻撃
すると敵もさるもの、イランは英仏に石油輸出をストップした。メンツを気にするイラン人の国民的心理は、国家の面目を立てる方策に知恵が回る。アフマディネジャドの声明や演説はメンツによる意地っ張りが満ちている。日曜日の先制攻撃で一転して英仏は窮地、EUが折れて歩み寄らないなら、スペイン、ギリシャ、イタリア、ポルトガルへの供給もストップするぞと強がりするにいたって、しっぽを出しましたな。ホントに実施すればイラン経済が先に自壊するので脅し文句だけである。同時に月曜夕から再びイランはホルムズ海峡軍事演習を展開するが、前回同様挑発行為はありえない。米艦隊は静観の構え、おもて\だった動きはみられない。

●もっけの幸い、中国
イラン石油の欧州輸出は20%だが、その分は中国とインドが買ってくれるのでせいさいインパクトはない。中国は、ほくそ笑んでいるだろう。日韓台も輸入を維持し、米の説得に従わない。日本は部分的に制裁に加担しているが、イラン石油輸入は中国に次ぐ17%なのです。フクシマ以来、火力発電の比重が増した日本の立場にイチャモンつける国はないだろう。

強(したたか)かなイランですが、長い米応側の経済制裁でイラン金融は国際性をうしなった。海外資産凍結、絵画銀行業務ができないため、一例をあげればイランの絨毯業者は現金取引しかできない。制裁不参加国のバイヤーが銀行振込で買えない状態では商売になりません。やはり制裁はジワジワ国民の生活を圧迫している。(了)

余談:イラン石油の英仏禁輸措置に応じて北海石油が8年ぶりの高騰121.20ドル/bを記録。産油国ノルウェーの石油基金は増え続け………






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