安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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世に騒乱の種は尽きまじ
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( 2012年 2月 13日 月曜日



恒常的な騒乱の種、世界3カ所をとりあげる。

●シリア
シリアが放っとけない事態になり、アラブ連盟は国連に監視団を派遣してくれるよう泣きついた。アラブ連盟とはアラビア語を共通する中東諸国、オイルリッチで力がある筈なのだが、アラブの紛争を解決したことは結成から十数年あった試しがない。

勇んで監視団を派遣したはいいが、逃げ帰ってきた。後任団長の派遣では弱いので国連と合同で監視団を派遣したいというわけだ。トルコは一国でも軍事介入する気はあるようだが、アラブ連盟との協力を度外視して単独行動はできない。

10年前のアメリカなら、単独でも空爆しているだろう。だが、リビアで空軍参加したときはNATOの司令下の建て前で表にでることを嫌った。オバマは軍事行動は起こさない。話しは飛ぶが、軍人さんたちの最も多い政治献金先はバラク・オバマとロン・ポールである。米軍の海外派遣を停止するご意見の二人、特にロン・ポールは海外米軍基地を総て廃止するという候補者だ。アメリカ軍人はそろほど厭戦になっているので、マケインがシリア軍事介入を唱えても、賛同する正義派は口だけの正義だろう。

そう言っている間もホムスは政府軍の砲撃に曝され、無造作に女や子供が死んでゆく。ロシアを悪者にしてもラチがあかない。久しぶりにアルカイダのザワヒリが反体制派支持の声明を出したけれど、ザワヒリは部隊を持たない隠居人にすぎない。シリア内戦は抵抗運動から一年になる。すでに5千人以上が射殺されたり拷問で死亡、この数はリビア、エジプト、チュニジア、イエメンを合わせた犠牲者をはるかに凌ぐ。アサドの退陣にはどうしても実力行使が必要なのだが、国連監視団恃みとは・・

●四川省
チベット族住民による反体制抗議は中国の報道規制に覆われてみえない。尼僧を含む送料たちの焼身自殺が相次ぎ、デモのチベット族と治安軍の衝突が繰り返されている。中国側は暴徒とみなし海外チベット人組織の発表とそれに伴うメディアを「真実を歪曲」していると毎度ながらの逆ギレだ。オバマは習近平次期主席との会談で、一応テーマのひとつに取り上げる。

●フォークランド
サッチャーがフォークランドに上陸したアルゼンチンに激怒し、即座に大軍事行動を発動したちまち奪回してから30年。島にいたアルゼンチン系住民は本土に引き上げた。30年も立つと、属する英国に生活基盤がある島の住民は愛国心と忠誠を英国に誓う心情になるものです。アルゼンチン領になることは反対だ。

ちょうど北方4島の住民がロシアに帰属感と忠誠心を抱いているのと同様、返還に反対するウリふたつの状況である。そしてフォークランド戦争で多数の戦死者を出したアルゼンチンは、30年目を機械に島の領土権を主張して奪還する意志が堅い(クリスティナ・フェリウナンデス大統領が12日言明)。しかも島の周辺は石油が出る。ということでフォークランド戦争の再演が取りざたされる。アパッチヘリの操縦免許を取得したヘンリー王子がフォークランドに派遣されるとの観測もある。(了)






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