安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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台湾総統選
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( 2012年 1月 14日 土曜日



●中台平和条約
今日、土曜日は米国と中国が固唾をのんで見守る『台湾総統選』の投票日です。馬英九(マー・インジウ)が独走なら中国はもちろん内祝いだ。米は南シナ海から太平洋の安全保障にどうてこ入れするか、厄介を抱え込む。馬英九は当選すれば約束してきた『平和条約』を結ぶと言ってきた。厄介の一番手がこの条約である。平和条約とは、ふたつの独立国がそれぞれの主権を踏まえて結ばれる国交樹立であるが、一方の台湾は独立国ではない。ま、認めている国もあるが、中国と国交が無い特殊な小国に限られる。バチカンもそのひとつ。

台湾(中華民国)を中国(中華人民共和国)の「一省」とする中国政府との国民党(クオミンタン)が平和条約を結ぶことは、中国に併呑されることであり「米華相互防衛条約」破棄につながる。米には厄介の一番手、東シナ海のみならず日米の太平洋戦略が根底から崩れ、日本は尖閣諸島に手を出せなくなるだろう。

では、そんな大変革が馬英九の二期目に起こるかと言えば、ハナシを挫くようだが起こらないと断言出来る。台湾の人は外省人といえどもこれまで謳歌してきた言論、政治活動の自由をおもうと背筋が凍る恐怖に尻込みする。かつて香港が英領から中国に返還される際、逃げられる連中は有り金もって外国へ逃げた。その後香港は金融センター・経済人間の国際都市に発展したが、台湾は風土が異なる。

●馬英九に急迫する葵英文
中国には1億4千万の顧客がいる!と金に眼がくらんだオバサンもいるし、大陸へビジネスを広げた台湾人20万人が馬英九に投票するため帰国するという報道もある(在外選挙システムがないらしい)。台湾は多様な民俗文化の国である。馬英九が再選されたとしても国状は変わらない。独立を掲げる蔡英文(ツァイ・インウェン)が当選しても独立は現中国体制が続く限り不可能だ。わたしは李登輝さんが応援演説する候補者という単純な理由で葵さんが当選して親日政府をみたいが、中台の飛躍的な人的交流をもたらした馬総統も嫌いではない(結果、中国人に一党独裁体制への疑問を誘発)。

世界経済が悪い。中国が成長減速し、台湾も例外ではない。中国観光客は相変わらずだが、馬英九の3年にインフレは30%、土地不動産の高騰で貧富の格差はひろがっている。そんなところから民進党の蔡英文(ツァイ・インウェン)が急迫してきました。ということで開票結果が楽しみです。(了)






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