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Show must go on!
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( 2012年 1月 12日 木曜日 )
●名馬、ミット・ロムニー
ニューハンプシャー予備選はミット・ロムニーが38.4%を獲得して予想以以上には伸びなかったが満足の得票。血統由々しい名馬、too polishedなこの人はどうも好きになれない(前にも書いたか)。自慢する経済成果が暴露されているが、名馬ロムニーは微笑んで相手にしない。それがわたしにはまた面白くない。 ジェトコースタ−に乗って登頂したロン・ポールが二位に、オハイオで登頂したサントラムはコースタ−を降りてしまった。3位16.7%を獲得したハンツマンは、本人より娘の3姉妹はもう少し見たいので野次馬的に残ってもらいたい。ペリーは第1回の候補者ディベートでは注目を集めたのに、今回最低の1%、年貢の納め時ですな。 ●老テリア、ロンポール それにしてもロン・ポールみたいな『危険』な過激爺さんが将来への希望が持てない若者層に訴えるのは判るが、支持者には熟年老年層も多い。これはどうしたわけか。アイクやケネディ何人もの大統領の下生きてきたが、人生いいことなかった。エスタブリッシュ政治家に一泡吹かせたい、そういう人々には、お荷物になる国際関係を振り落とし、税金のないアメリカに熱狂する。しかし、ポールの政策約束はオバマの破られた公約よりもっと泡沫的公約なのだ。 ● Show must go on! GOPの足の引っ張り合いでお金もエネルギーも莫大な資源を空回りする予備選を少なからぬ米国民はよいとは思っていない。対立候補のいないオバマは選挙資金集め、選挙マシーンに不足はない。GOPステラテジストの心配をよそに、伝統のお祭りショウは止められないのである。ま、最後の10月までおもしろさ一杯の予備選を望見しましょう。 ●イランとアメリカ アフマディネジャドの南米訪問を米メディアは毎日大きく報道している。チャベス、オルテガ、カストロに会うイラン首相は、米を挑発することで国内権力を維持している。ペルシャ湾軍事演習でミサイル発射、ホルムズ海峡の封鎖警告、親族を訪問中というイラン系米海兵隊員をスパイ罪で死刑判決、イラン核施設の濃縮ウラン作業チーフの科学者をテヘランで爆殺(3人目)、この犯人をイスラエルとアメリカの謀略と非難した。イランはなんでも米とイスラエルの謀略説を唱え、当地ノルウェーで昨年起こった政府建物爆破と労働党青年キャンプ乱射テロはイスラエルと米の謀略と信じている。もしイラン人の知り合いがいたら訊ねてごらん、Conspiracy theoryを濤々と喋るでしょう。 イラン制裁の為にガイトナーが中国、日本に来てイラン石油の輸入を考え直してくれと頼みにきた。中国はイランの石油を一番多く買っている。温家宝は断った。中国とロシアは国連でもイラン追加制裁に断固反対する。先月末、イラクから米軍がいなくなった途端、中国はイラク政府とおいしい石油採掘契約を交わしたところだ。イラン石油輸出の二番目は日本で国内の10%(多分以上)を賄っている。原発出力が減ったので当分は火力発電を増やして対応しなければならない。そんな時に、トモダチ作戦の米がイラン制裁のためにカットせよなんてよく言えるね。(了)
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