安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興

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明治維新と戦後改革は革命だった
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( 2012年 1月 11日 水曜日



註:書いたらそのまま、読み直しが邪魔くさいのでコラムは誤字だらけです。掲載後に判っても誤字と読者が察してくれる程度はそのまま放置するのですが、先回は致命的でした。「出る」と「出ない」では意味が逆、2段終りの文章を書き換えました。

●明治維新
近代日本は2回の革命を経てきた明治維新と昭和戦後の民主改革である。両方とも世界の歴史に例を見ない大変革であり、国家の形を一変させた様相は維新Restorationや改革Reformationとよぶような生易しいものではなく、革命Revolutionそのものである。明治維新ではわずかな士族の反乱と西郷隆盛が率いる西南戦争があったくらいで、政治・社会・文化のすべてに及ぶ凄まじい諸改革は、封建制度の意識下にあった国民が武士も農民も粛々と従った無血革命であった。

漢和辞典でおなじみの藤堂明保は大正生まれだが、藤堂藩の御曹司として父から聞いていた版籍奉還/取り潰しの様子を司馬遼太郎との対話で語っている。氏によると藩領、屋敷、石高はもちろん、所持品は総て没収されたという。農民の側では「地租改正」によって地主は二足三文で大部分を手放し、小作人に二束三文で売り渡され多結果、零細農家が一挙に増えた。このときも大地主は悲歎を噛み潰して絶えた。

●戦後民主改革
戦後の革命はGHQの手で行われた。この民主化実験はひとことで言えば国体解消であり、マクアーサーとその側近の理想リベラルたちがフリーハンドで机上の社会・政治・思想改革を指示した。人々は未曾有の敗戦、無条件降伏だから仕方がない。耐え難きを耐え、偲び難きを偲んで唯々諾々と従った。GHQは「農地解放指令」を発令して維新の地租改正をもう一度徹底的に実施させることになった。農地改革を悪いと言っているのではない。自作農による日本再生をもたらした快挙なのだが、この全国的農地の再編に不よって生じた不公平に、わが国では暴動が起こらなかったとに目をむけたい。

このような天地を覆すほどの日本変革を語るとき、ディテールを無視して結語ふうに記せば「キーボードを叩く簡易さ」で為政者が達成できたのである。フランス革命の後は、騒乱の末ナポレオンが収拾し更にヨーロッパの大半を占領した。米の市民戦争(南北戦争)では奴隷廃止を、独立戦争では英から独立を勝ち取ったが、アメリカ国民の生活・思想を根本的に覆す改革は起こらなかった。南米で連鎖した革命では独裁者が入れ替わっただけで人民が報われることはなかった。

以上を前書きに、ではなぜ現在の日本の政府が絶対必要と(と考える)制度改革に踏み切れないのだろうか。明治維新と昭和敗戦の革命を平和裡に断行できたのは、明治の元勲が卓越していたのだろうか、宰相吉田茂が偉大な政治家であったからだろうか。そんなことはないと思う、といったことを次回に書いてみる。(続)






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