安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興

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アイオワ、投票前の感想
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( 2012年 1月 4日 水曜日



●アメリカ
アイオ州共和党支持者は保守的モラルの牙城、後のグループを走っていたリック・サントラムが抜け出し、アイオワ指名レースのゴールは本命ミット・ロムニーとロン・ポールの三人が団子になって駆け込む様相である。予想はロムニーが優勢というものの、投票前日までだれに投票するか決めかねている党員が半数いる。開けてびっくりの結果はこのコラムがアップされる頃判明する。

ロムニー前マサチューセット知事はビジネスマン。景気のいい時は雇用し不景気になるとリストラで利益を上げる企業に投資する頭の良い経営者、先の指名争いでマケインに負けた以外、汚点のない華々しい経歴をもつ。そう言う人物をひがみ性のわたしは買わない。

ポール下院議員は言いたい放題のジイさん、落選のたび再起、よくぞ生き残ってここまで来たのが奇跡とおもえる。それだけ米の貧困・中流層の鬱憤が燻っているのでしょう。所得税を廃止し国税庁を廃止、私企業より悪質なFRBを即刻廃止、外国不干渉の立場から韓国・日本を含む海外米軍基地を撤廃など、歴史の連続性を断ち切る過激の徒である。昔からそう言ってそれでも人気があるのは、常に議員歳費値上げに反対し、闊達な議員年金にも加入していない。毎年歳費一部を返上するなど身上の潔白さ故であろうか。

サントラム上院議員は歳(53)にしては若さが売れる容貌、正真正銘のキリスト教(カトリック)保守派である。指名候補選に出遅れたが妊娠中絶、同性結婚反対、ストップ・オバマを掲げてアイオワ州を精力的に遊説したのが効いて、草の根保守派のホープとしてトップグループに躍り出たが、他州の予備選では見込みよくありません。サントラムはイタリア系、当地ノルウェー系のミシェル・バックマンは母体のティー・パーティー支持が半減し、生まれ育ったアイオワで人気得られず、1月3度の予備選に絶えられないだろう。それよりギングリッチの挽回眼に離せない。

●イタリア
ベルスコーニが退陣して経済のモンティが首相になったら、イタリア人がすっかりおとなしくなった。緊縮財政に議会が承認したらデモ騒動必至の国で、クリスマス以後はデモは下火に。ロシアでは厳寒の年末から反プーチンデモが燻っているのに、ローマは花火と歌で不景気風を感じさせない。3年債利回りが3.6%でほぼ完売、10年債は依然危険水域にあるものの7%を下回った。3日はベルギーでも短期債(3・6ヶ月物)利回りが1/3に急落、目標額の25億を調達した。

●ギリシャ
首相になった経済のパパデモスがEUによる救済条件である緊縮財政と構造改革に国民の支持が得られなければ「ユーロ圏脱退」を余儀なくされると、国民へ脅しをかけた。ギリシャ中銀総裁であったパパデモスは暫定政権なので無責任に本音がいえる。本音が言える首相は状況と帰結がどうであれ。望ましいとおもう。(了)






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