安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興

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暴発を防ぐ人道支援
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( 2011年 12月 20日 火曜日



●金正日、命を縮めた放蕩
金正日は、若い頃の遊興放蕩の末、高級コニャックとフランスワインが止められず、薬付けで生きてきた。69歳は生命力の限界か。金正日が死んだからって、急にかわる北朝鮮ではない。

17日の早朝、列車の中で心筋梗塞ということは、寝台車で国内視察の途上だったのかな。急死の情報が19日の公電発表まで世界中の北朝鮮専門家や情報組織に知られなかった。北は孤立しているだけあって、機密保持は徹底している。

●子供だましのミサイル発射
発表までの2日間、北は偉大な指導者が急死した空白に他国が乗じないよう、ミサイルを2発打ち上げた。警告のつもり、笑わせる。韓米がこれを好機と攻め込むとおもっているのだろうか、それほどバカでないと思うが『強がり』を示威する悪習は独裁体制に染み付いている。加えて後継者・金正恩をアピールすることをトップの会合で決定し、偉大なる指導者の発表となった。

●若さは問題ではない
金正恩が将軍様になるのは絶対の準備期間を経て既定路線である。幾つですか、歳は28〜31歳まで幅がある。若いけれど、経験不足なんてことは北の体制では問題になりますか? 北の指導者は金日成以来、演説しなくてもよい。国民のイメージにマッチするマスクと会席で鍛えた座談力があればよい。誰を後継者に担ぎ上げるか既定である以上、権力闘争は起こらない。

●オバマの韓日観が露出
発表に先んじて中国へは知らせたであろう。応えて、中国は政府(胡錦濤ほか、幹部名無し)が直接後見人に適した哀悼の意を表したが、ロシアのメドベージェフはまだ。発表1時間後にオバマはMy best friendの李明博に電話、どんなことがあっても韓国を守ると伝えた。野田首相へはクリントンが日韓防衛の決意を表明した。オバマは李明博と話した後、折り返し野田佳彦に電話するのが外交のありかただろう。米中が閣僚レベルで話しがあったのか報道は無い。

●三人の息子から後継を選んだ張成沢
さて、金正恩を後継に選定したのは金正日ではない。義弟の張成沢JangSong-teakが正恩を選び、正日が指名したといわれる。北の国民は襲うひもじい冬の季節に正恩を支え補佐する叔父の張成沢がどのような新政策を打ち出すか。中国は大量難民に備えて国境警備を厳しくするだろう。米韓の食料支援に張成沢が低姿勢にお願い出来るだろうか。北朝鮮が冬を安定して越せるか、それとも暴動を呼ぶか、食料と電力次第である。飢えと寒さがなければ、彼の国民は鎖国状態でもガマン出来る。人道支援は暴発を防ぐ最良の措置である。(了)






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