●討論でど忘れ、窮したリック・ペリー
米共和党の大統領候補8人が勢揃いしたディベートが水曜日、当地時間では木曜の早朝にライブ中継があった。最大のヤジウマ的見せ場はリック・ペリーの発言途中の「ど忘れ」でした。先の9月討論ではオバマの社会保障をネズミ講と弾劾、指名争いをリードしていたペリーが「ど忘れ」大失態をやってしまった。
「排除すべき政府機関は三つある。(指をたてて)一つは商業、二つ目に教育、三つ目に・・・」ここで完全に詰まる。思い出せないのである。なんとか思い出そうと資料を探したりするがどうしても口からでてこない。EPA(環境保護庁)ですかと助け舟が出て、司会者から念を押されると「No,no,no, そうじゃなくてEPAは再建を要するもの、疑いも無い」
結局思い出せなくてSORRYとでギブアップした。この間、会場からは嘲笑というより、娯楽をみるような楽しい笑いである。しかし戸惑いながらも笑みを絶やさずいつもながら背筋を真っすぐ姿勢がよろしい。後にこの時はブレイン・フリーズした(頭が真っ白)と白状。排除の三つ目は「エネルギー庁」であることが側近からしらされた。
●サラ・ペイリンの前例
サラ・ペイリンがマケインの副官として人気を博していた最中、TVいんたびゅーで『ブッシュ・ドクトリン』について質問され、わからず無知をさらけ出した。あれはごまかそうとしたのがマズかった。リック・ペリーはベテランのテキサス州知事であるが、ペリーには大統領の下地がないとみられる。おそらく候補戦列から後退尾するするだろう。
●不動明王ハーマン・ケイン
逆に連日のセックス・スキャンダル塗れにふつうなら「お仕舞い」になっているハーマン・ケインが些かも動じない。不動明王の形相あり。"American people don't care about character assassinations, "they care about leadership and getting this economy growing,"と、うまいことを言う。フロントランナーはミット.ロムニーに変わりないが、ケインは最後まで戦列に残る予感がする。尤もスキャンダルの一つでも起訴されかつ事実と判明すれば終りだが。
● He is nothing
さて野田首相はヤル気だったTPPへの参加表明を党内に反対勢力があるからといって先送りする。宰相らしくリーダーシップを出してダメならわかるが、He does nothing はHe is nothingと同義。TPPなんてやってみなければわからない。交渉のプロセスで明らかになる部分があり、メリットがなければ交渉決裂でもいいではないか。(了)