安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興

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実績をあげるミャンマー民政
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( 2011年 10月 13日 木曜日



お知らせ:13日から26日までのんびり帰省のため、コラムをしばしば休みます。

●民政の皮借る軍政とおもいきや
昨年のミャンマー大統領選挙で軍の後押しを受けたテイン・セン首相が新政府の大統領に選ばれ、今年3月末に就任。それとともに軍政の独裁者タン・シェン国家平和発展評議会(SPCD)議長がSPCDを解散、民政移行がロードマップが完了したと発表。極悪人に見えたのにアレー?。頭が混乱した。とはいっても新閣僚は軍政からの横滑りと軍政を顧客にするビジネスマンの集合で、しかも「国防治安評議会」というトップ権力機構が新設され、メンバーの正副大統領、主要閣僚と新国軍の司令官ら11人は、悉く軍出身者である。やはり民政に?マークが拭えない。

●優しい鉄の女・スーチー
ところが自由になったNLD書記長スーチーさんが新政府と協力姿勢にかわり、ティエン・センを「平和と民主主義を前進する誠実な人」と評価したのでまた?マーク、眼をパチクリ。

スーチーさんは最近のインタビューで政治犯釈放が最優先課題と言明していたが、よくて20−30人だろうという感触だった。ところが予想を覆し、ティン・センは受刑者6300人あまりに恩赦釈放を発表、ただし2000人近い政治犯の中からは100人くらいに止まるらしいのが残念。わが頭は白いモヤが立ちこめ、この劇的なプラスマイナスの動勢を理解できないのだが、明るい進展だ。光が見えないアラブの春その後に比べれば、ミャンマーの動きは一歩一歩確実に前進している。

●建設半ばの中国ダムをキャンセル
いちばん顕著な兆候は、先月末に民政国会がイラワジ川巨大ダム建設を新政権がキャンセルを可決したこと。中国が後見人だった軍政の時代、中国が資金と技術と労力を丸抱えでミャンマーの奥地で建設工事が始まった。30万の居住民を強制移住させ、発電の90%を中国に送電するという言語道断の契約である。NLDはじめ民衆の抗議が奏したといえよう。同じような中国主導の開発がラオス、タイ、ベトナムなどで進行中だという。

中国の南シナ海覇権をめぐってベトナム市民の反中デモが激しく、これが新疆ウイグルやチベットなら武力粉砕できるが外国ですから、一応係争先延ばしの協定に本日12日合意した。これはドミノ効果を生む。南沙諸島やパーセル(西沙)諸島を含む南シナ海周辺のフィリピンブルネイ、マレーシアもベトナムに倣えするだろう。

●EU米 豪、制裁解除へ
さて、ミャンマー民政の成果がここまで進むと、EUと米が科してきた経済制裁は早晩解除されるだろう。ミャンマー経済を牛耳る華僑は健在だが、中国の政治的影響力は絶大ではなくなるだろう。制裁に参加している当地ノルウェーは、ただいま解除は英米の決定待ち。(了)






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