安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興

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パレスチナ、千載一遇のチャンス
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( 2011年 9月 20日 火曜日



以下はアッバスのパレスチナが何故いま国連加盟を頑に推進するのか、その理由を示すもので、加盟申請に対するわたしの見方ではありません。

パレスチナのアッバスが月曜日ニューヨークに到着、国家承認の総会決議を得て国連機関の委員会などに参加できる現在のオブザーバー地位以上の地位に就くのが第一歩だったが、いきなり国連加盟を断固申請する。ガザを実効統治するハニエはイスラエルへの譲歩を怖れて申請反対だが、一般市民はガザも西岸も大多数が熱狂している。

●トルコ−イスラエル国交断絶
イスラエルと軍事協力するまでになっていたイスラムの盟友トルコのエルドアンが、5月の支援船事件にネタニエフが謝罪しないことにツムジを曲げて事実上国交断絶である。もう一国中東で居イスラエルを承認したムバラク後のエジプト暫定政府は国交継承するが、カイロのイスラエル大使館が攻撃されたことで明らかなようにエジプト国民の反イスラエルは頂点に達した。

イスラエルは四面楚歌、いまこそがパレスチナが国連加盟を持ち出す千載一隅のチャンスなのだ。安保理で審議される場合、15票のうち9票と拒否権ナシがあれば成立する。しかもその可能性があるのだからアッバスは米との関係がどうなろうとトライしたい。国境を第三次中東戦争(1967)の前に戻したパレスチナ国家として申請する。この国境戻しはオバマがイ・パ和平交渉に基本とすべしと今年5月に言明したのだから「文句アッカ」という気になるだろう。

オバマはすでに昨夕ニューヨーク入りした。米がVetoを発動して阻止するのでパレスチナの国連加盟は実現しないが、国際世論を味方にでき、イスラエルを窮地に陥れることができる。経済的にもイスラエルに打撃を与えられる。イスラエルの貿易黒字はトルコへの武器輸出が最大だったが、それも産業製品も閉め出された。エジプトへの輸出も政局不安定な現在は先細り。そうすればイ・パ和平交渉を再開するにも有利になる、パレスチナにとっては好い事尽くめなのである。

●わたしの見方
ところでミッチェル特使はどこにいる?カルテット(中東和平を協議する米ロ国連とEU)の特使ブレアはどこなの?この二人に委せて待てばよいものをオバマは焦ってイ・パ和平交渉がどうあるべきか、国境、エルサレム帰結、難民帰還など基本姿勢を示し、二者それぞれに「お前はこうしろ」と指図したのだ。これでチャブ台をひっくり返し、交渉が途絶えたのである。

GDP/pesonの極端に低いパレスチナが存続しているのは、米と欧州からの支援金による。支援国会議の現議長である当地のストーレ外相がラマラでいま圧力をかけているが、当地ノルウェー政府はパレスチなの国連加盟に賛成だから米は歯がゆいだろう。アラブの国々は殆ど拠出していない。アッバスは選挙で選ばれた大統領ではない。任期は数年前に切れているのに、騒動にかまけて適当な法規をつくって居座りつづけている。パレスチナ国家の国連加盟が欲しければまずイスラエルを独立国家と認めるのが先決ではないのか。

台湾の加盟申請が中国の脅しでいつかな進展しない。藩基文は申請書の受理を拒否、門前払いとはひどい仕打ちを。順序は台湾が先だ。(了)






Pnorama Box制作委員会


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