安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興

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日韓中米の二国間、昨今の軋轢
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( 2011年 9月 19日 月曜日



● デモを許さなくなった中国
日中の戦いにおいて、嚆矢は常に日本側にあるとする抗日戦史の中国は、開戦記念日がくるたび式典を催すが、昨今は国内事情に鑑み反日デモに手加減を加える。18日、満州事変の嚆矢・柳条湖鉄道爆破事件の式典は、当局が事前に手を打って20人ばかりの活動家による反日ショウのみ、随分トーンダウンされるようになった。

最近の中国デモは反日であれ、反外国勢力へのデモが反中国政府へのデモに変質するため警備兵が要所を見張り、集会を許さない。人権無視と情報言論の統制で成立する共産党資本主義は、そもそも矛盾という砂上の楼閣である。

●不可避の政体変革と持続する経済力
経済の落ち目が政権交代をもたらす社会事情は、はなにも西欧民主主義に限らなくて、経済成長が鈍化するとき「金銭が頭を支配する」中国人の不満は政府を倒す。この場合交代する政権のない一党独裁の中国では政体チェンジ、即ち革命となる。早くその日を見たいと思う。

政体が崩壊しても中国経済が破綻するとは思わない。世界を牽引する状況は変わらないだろう。わたしが見たいのは人権擁護と言論の自由、移動が自由な中国社会である。海賊版や技術、文化のパクリを認めない中国を見たいと願う。

●韓国の消えない反日
日本の前首相は「東電のバカヤローが」と罵った。韓国の現大統領は大規模停電の翌日「どんな間違いがあったのか話してみろ」と韓電にねじ込んだ。予定した劇場型大講堂にきて「ここで会議ができるのか」と会議場を変更させた。

停電中に対策を講じていないのが玉にキズ。韓国はこのところ竹島への実効支配を強め、小学校教科書に独島(竹島)韓国領土と記すなど李明博政権はあいかわらず対立姿勢を変えようとしない。またぞろ慰安婦賠償請求を協議事項にあげてきた。日韓条約によって国家と個人の賠償請求権は消滅したとする日本のスタンスは国際的にも正しい。民間ベースで行った補償はいったい何だったのか。

●オバマと李明博のおつむ
かつてブッシュは小泉を頼りになる親友と遇し、韓国のノムヒョンを言行を翻す信用出来ない男と退けた。次のオバマは韓国大統領との初会談で李明博の語る「東アジア論」にいたく感銘し、予定時間を1時間も越えて拝聴した。「日本は正しい歴素認識を」と高慢ちきに説教する無知な李だが、オバマは米を重視した李の「韓中日太平洋論」にコロっといかれてしまった。国際オンチの鳩山はこともあろうか、大東亜共栄圏の焼き直しである日本中心の「東アジア共同体」をオバマに語った。この一件でオバマは日本の政治家を語るに足らずと国務省日本部をも軽視するようになったのである。

オバマは国連総会に来る野田首相と慣習礼儀上、会うことは会うが、時間は日韓首脳会談より短かい。それだけではない。オバマは10月中旬に李明博を国賓として招待し、晩餐会でもてなす。キャメロンもサルコジも未だ受けていない破格の歓待をだ。それで 李明博は全国突然の停電を「恥ずかしい、後進国並みだ」と叱責したのであろう。

オバマは 韓米EFTAが米雇用創出に貢献するとの持論からEFTA交渉の成功をアピールしたい背景があるが、それだけではフォーマル晩餐会を奮発する理由にならない。オバマと李明博のおつむはドングリの背比べか。(了)






Pnorama Box制作委員会


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