●1955年稼働
爆発を起こした南仏マルクールにある使用済み核廃棄物の処理施設 Centraco は空中写真で見ると郊外の二流工場地のようで、なんでも1955年に建設された最古の施設という。このハイテク業界で最古は汚点である。原発プラントの企業アレバもここでオペレーションをしている。
●フランス原発の秘密主義
低レベルの核廃棄物を高熱で溶かす溶融炉で12日11時45分に爆発が起こり、ごく近くにいた作業員が一人が黒こげになったほか、4人が重軽傷をおった。このCentracoの事業主はEDFといういわば国営の電力会社である。フランスの原子力産業は政府の肝いり、その秘密主義は日本の所轄官庁や電力会社に負けない隠蔽体質をかかえている。
●放射能もれはNon!
EDFは直ちに、放射能もれはない、産業事故であって核事故ではないと発表。設置されているすべての放射能モニターでも検出されていないそうですが、人体に影響出る量かどうかは別にして、溶融炉が吹き飛んだのですぞ。炉を覆っている容器/建て屋は無事といえども、放射能がゼロであるわけないわな
かつてチェルノブイリ事故の時、フランス政府は核の灰がフランス領土に落ちた形跡はないと言いはったウソつきの歴史がある。75%の電力を原発で調達しているフランスは、というかフランスだけは国を挙げて原発推進にいそしんでいる。それでフランス国民の多くがが反対しない、情報開示を要求しないのだから、ヨーロッパはいろいろですね。おそらく事件の報道は1日で収束するだろう。この機に日本の再処理に一考したい。
●日本の原発産業に歯止めを
このマルクールの施設では、わが国の六ヶ所村でやっている使用済み核燃料からウランとプルトニウム取り出し、東開村村でやっているMOX燃料を製 造する行程までを行って いる。核分裂を起こす発電用装置ではないので福島のように放射能を出さないが、日本の六ヶ所村場合は……あれェー、何時頃から着手したのか、 1993年着工とあ る。爾来いまだに試験運転の域を出られない。実用にならない金食い道楽はキッパリ停止するがよい。さらに先のMOXを使った核燃料リサイクル「も んじゅ」は絵に書い た餅にすぎない。(了)