●オバマ議会演説
オバマ大統領の議会演説『雇用創出パッケージ』がもうすぐ始まるが、それを聞いてからでは眠り込んでしまうので、聞く前に書いておく。

報道官の説明では中間層と企業への減税、道路や橋へのインフラ投資、オンボロ学校の再建と教員職の保持のため自治体に支援、職業訓練などに3000億ドル以上、ひょっとすると4000億ドルを投入する。同時にこれらの雇用創出案を明文化した法案American Jobs Actを年内に承認するよう議会に要請することになっている。

上院下院の全議員を集めて議会演説といえば、年度明けのState of Unionみたいだな。あきらかに二期に向けた乾坤一擲の挽回キャンペーンを意識している。このパッケージと同じ内容は昨年も今年も年頭教書で聞きましたよね。バカバカしい、あるいは反対意思表示に欠席する議員がいるようです。オバマは夏休みから帰って雇用対策のため財政投入をおこなうと議会演説を予告した。つまり量的緩和に言及したのですが、するとNY株がその日は上がる。失業者は14ヶ月間平均９％に高止まりしているというのに苦々しくおもう失業者は多いだろう。

●It's the Economy, Stupid!
米金融業界と自動車業界はオバマ支援によって破産から救出された。しかし経済がよくなったわけではない。WTのW.Prudentの最近のメールに：
Bill Clinton was elected president on a simple slogan: “It's the economy, Stupid.”（経済だよバカ）
Barack Obama and his wise men are still casting about for a winning theme for 2012. The best anyone has come up with is, “It's NOT about the economy, Stupid.”（経済じゃないよ、バカ）
But who would buy that?　（そんなもん誰がのるか）。吹き出しました。

オバマは米最大の失業問題を抱えるボストンで市民活動をしていた。もちろん成果はまるでなかったが、シビルワーカーを踏み台にして民主党上院議員に当選、上院生活半年で大統領に選ばれた。財政経験、外交経験には素人なのである。“It's NOT about the economy, Stupid.”オバマに対するギャグ批評のベストとおもう。

●いつも柳の下にドジョウはいない
オバマは雇用創出のための支出を既にやっている。結果はなかった。どうして今回の案で50万から100万人の雇用に繋がるのか？　これは雇用創出プランではなくて、再選プランである。などと公言する共和党はもちろん民主党にも多くが協力する姿勢にないプランが、たとえジョブ・アクト法案が年内に議会を通過したところで、議員の協力が得られなければ効果はない。

反対する共和党と一部の民主党議員をオバマ・ボイコットと避難するのはやさしいが、この状況を生んだのは誰か？オバマその人ではないのか？（了）