安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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完成豪華ホテルを爆破
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( 2011年 9月 5日 月曜日



●ラスヴェガス
ラスヴェガスにシティーセンターという2009年にオープンした施設がある。賭け華やかな世界には不安で落ち着かないわたしなのでラスヴェガスには行ったことはありませんが、四つの豪華ホテルとショッピングモールがある。


K.M. Cannonreview-Journal

●ハーモンタワーに構造欠陥
そのなかの一つのデラックスホテル・ハーモンタワーを、写真のように落成しているのですが、開店をまたずに取り壊しするという。まあ、なんてモッタイナイことを。理由の如何に拘らず、この世界の消費はフツウではありませんから、資源とエネルギーの浪費や倫理を節約を心掛ける生活者が義憤しても空振りするだけです。だもんで、興味本位に書きます。

この取り壊すホテルの経営はMGMリゾートというこの業界の雄である。08年に建て始めたが管轄の建築審査が設計と違う、耐震基準を満たしていない、とクレームが出た。それで上部のコンドミを外して27階建てに手直ししたのですが、やはり構造に欠陥がある。当局は地震がきたら崩壊して周囲の高層建物が危険だ、との結論にたっした。英断というべし。

●不確実な補強より爆破崩落を
建設会社は補強できるというが、それには2−3年もかかる。既に8500万ドルつぎ込んでいる。倍以上の資金で補強したところで合格するかどうかわからない。
MGMリゾートは耐震の専門家に相談、壊して建て直すのが最短で確実ということになった。さて賠償責任がどこにあるか。建設業界は世界中で下請けの多重構造である。ラスヴェガスでも事情はかわらない。請負った建設会社とその下請けが法廷で争っている由。また建築家と工事会社が責任のなすり合いをしている。

●中国にも進出するMGMグループ
中国にはすでにMGMチャイナのホテルがあるが、MGMリゾートは、なんでも中国に30のホテルを3−4年中に建設するという(Bloomberg)。中国の手抜き工事とワイロでつるんだ中国の建設役人はとみに知られている。ラスヴェガスだからデラックスホテルが欠陥を理由に爆破してしまうが、中国で同様のケースが発生すればどうだろう。上海の高層ホテルはまだ地震の洗礼を受けていない。上海では横幅があって低いホテルをおすすめ・・したくても殆どないわな。(了)






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