安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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爆破と乱射、ノルウェーテロ(7)
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( 2011年 8月 21日 日曜日 )



20日土曜日に生き残った若者や犠牲者の近親者約750人が、政府のはからいで事件の島ウートイアに上陸した。もうあの島には行きたくないという人、まだ訪れる気持ちにならないとして加わらなかった人もいるが、あの日から一ヶ月たって国民的に落ち着きを取り戻した。犠牲者総ての葬儀が終り、首相は全国での葬儀に、同時挙行で参列出来なかった外はすべてに出席し哀悼のスピーチを行った。犠牲者の一人であるデンマーク人の葬儀にも出かけている。そして今日、日曜日に政府主催で「国民追悼記念」がオスロ・スペクトラム会館で行われ、国家的な関連行事はこれで一応おわる。


労働党青年キャンプに来ていた男女が69人も一人の男に射殺されたのはどうしてか、日本では不可解に思われている。どのような状況か疑問にこたえておきたい。ブレイヴィク(以下B)が警官の服装で島へ向かうフェリーに乗船する際、陸側のキャンプ係員(労働党青年部メンバー)が身分証明を求めたところ、Bはそれらしき警察の証明書を呈示した。偽物だが用意周到である。同時に乗船した島の管理者・キャンプのお母さんと呼ばれている女性が、オスロ市内政府建物の爆破事件について話しかけたところ、Bはおざなりに答えてそっぽを向いたという。


国中騒然としている爆破事件を避ける警官を不審におもい、島に着くとDすぐ警備員(元警官)に知らせようと急いだしかしBは怪しまれたと感じたのか追うように管理者と警備員を射殺。島の警備員は銃をもっていない。危急を知らせるべき二人が殺され、銃無しの小さな島でB一人が拳銃と自動ライフルを持つ状況になったのである。

オスロ爆破事件のニュースを知ろうと数百人がレセプション建物Eに集まっていたが、そこへ入ってきたBは、警官と偽り寄り集まってきた者に銃を乱射。またオスロ市外のため警察管区がことなり、武装した対テロチームとの統一行動を待たねばならなかった。上陸した警官隊に降伏するまで1時間半、黄色点線の経路Fを探し歩いては見つけ次第狙い撃ちしたのである。Bの目には動くオモチャを撃つくらいの感情しかない。(続く)






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