安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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IMF,欧州トップの不文律
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〈 2011年 5月 19日 木曜日 )


●ストロスカーン後継えらび始動
ストロスカーンIMF専務理事の後継選びの根回しがはじまった。暫定代行のNo.2はこの8月で任期切れだからそれまでに後継を選出しなければならない。

●トップ人事の不文律
世銀はアメリカ、IMFは欧州からトップを出すことは発足時から暗黙の規則であり、一度もこの慣例が破られたことはない。米基金で出発した世銀に米に次ぐ拠出高の日本が一度くらいトップに選ばれてよさそうだが、職員すら異常に少ないのが現実、カネもクチも出す政府であってほしい。IMFへの資金貢献は各国経済力に応じたクオータ制融資が基本である。いま中国が2番目になったので日本は3番目であるが融資(ドル、ポンドで)ワクを示すだけでよいから外貨余りの中国が2番になった。IMFのアイルランド支援に日本からいくら出たか、またギリシャには日本の融資枠からいくら貸すのか、現在日本は3000億ドルの融資ワクをもっているが、それが全部行くなんてことはなく、ごく一部です。

IMF人事に話しを戻す。グローバルな国際通貨基金のボスがいつも欧州からではおかしいではないか。国際経済の重心が多極化し、G8が G20になった今日、欧州がトップを独占する時代はおわったという議論。ブラジル,インド,中国が声をあげてきた。過去最も支援を受けつづけ、かつ融資返済を踏み倒し免除されているアフリカからも候補者を仄めかすようになった。

後継専務理事はなんとか欧州が堅持できたとしても、任期5年のあと2016年のトップは欧州以外の出身者になる可能性が大きい。

●ハニートラップの日々
世論調査でフランス人の過半数がストロスカーンがハニー・トラップにかかった、仏大統領選絡みの政治謀略と考えている。風評によらず、自発的にそう思っている。さすが「ジャッカルの日々」を生んだ風土である。

後継はやはりフランスから、現財務大臣のクリスティーヌ・ラガルドを押すコンセンサスが仕上がった雰囲気である。適材であるが、フランスは4人もIMFトップをだしてきた。立て続けにまた一人はむりだ。欧州経済の担い手ドイツの動向が鍵。(了)





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