安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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東電よ、覇気を持て!
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〈 2011年 5月 18日 水曜日 )


●賞味切れのメルトダウン
東電が先週12日、福島第一原発1号機がメルトダウン炉心溶解=メルトダウンしていることを認めた。地震と津波発生3.11から2カ月も経ってからである。とはいえ、本来、原発メルトダウンといえば驚天動地の大事ですぞ。それがぜんぜん我が身に反応を起こさない。日本社会の反応はどうなんだろうと注意していたが、淡々としてますな。わかります、周知のことをいまさらとですものね。

地震の翌日の12日、1号機で燃料棒が解ける炉心融解の可能性があると、原子力安全・保安院が発表した。燃料棒が融けて圧力容器のU字形の底に溜り、高温のため底に穴があいて格納容器にポタポタ落ちている状況。大前一郎学長はとっくに落ちてウンコのように固まる、と図解して講義(U-チューブにアップ)しておられました。科学的推理は事実だったのである。

●判断力欠如、場当たり措置
注水がジャジャ漏れになっているのが判っていながら冠水(水棺)はハナから疑わしい工程だった。1号機地下に作業員が初めて入って目測でジャジャ漏れ水が地下一面に4mまで溜っていたという。そこから上は地下水にか海へか流れているのだろう。

17日、目視をもとに日程を変えず冠水工程を循環注水に変更した。福島原発プロの技術が低いとはおもわないが、状況の読みと判断力は首を傾げる。

●何人も土下座を強制されない
事故を起こした責任に平身低頭する東電幹部の気持ちは解るが、社長が土下座しろと呼び捨てにされて素直に土下座するバカがいるか。社員の士気を削ぎ被災者をもっと怒らせるだけ、21世紀の世の中、土下座で済むことは任侠の世界でもなくなった。

事故を起こした責任はベストの対策を取ること、謝罪は何度もするものではない。記者会見に出てくる東電幹部は対策に勇敢だろうか、クリアな判断力をお持ちだろうか、リーダーシップがあるだろうか、言葉に覇気がまったくない!

●汚染水1万トンの太平洋放流は米の要請?
今回、福島原発をテーマにする気になったのは内閣官房参与平田オリザ氏が:
『汚染水の処理の問題では、韓国の方々にも大変なご迷惑をおかけして、通告が遅かったと。一応、ご理解いただきたいのは、流された(汚染)水は非常に低濃度で、量も少なくて、あれはアメリカ政府からの強い要請で流れたんですけども・・・』
と講演のなかで発言したニュースである。これは聞き捨てならぬ。アメリカから強い要請?米が要請する議題でしょうか?

そういえば米メディアは太平洋の海流を示して放射能汚染がいつどのくらい西海岸に達するか、ヒステリカルに煽ったけれど、政府は無視、むしろノーハームと火消し役を努めた。海洋放出を事前に容認していたと想像される。

地下に溜った高濃度汚染水の処分に困った東電に、もし米が廃棄プールのを海に棄てて、入れ替えればよいとの助言があったのならモッケの幸い渡りに船である。感謝せねばなるまい。もし米の強い要請だとすれば、他にも米の要請で日本政府が従がった事例があるに違いないと日本国民ならだれしも考えるだろう。真偽を質し、首相の答弁が必要な問題である。(了)





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