安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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原発と日本耐乏の時代
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〈 2011年 5月 9日 月曜日 )


●ギュンター・ザックス自殺
先ず、今日気になったこと:プレイボーイで名を馳せたGunter Sachs(78)、ドイツ生まれスイス国籍)が健康がすぐれなかったのか、老衰を終えるべく老セレブはスイスの豪華別荘地でピストル自殺を遂げた。

自殺したニュース記事をよみながらああ、そうだったと思い出すことしきり。最盛時のB.バルドーと結婚したときは写真家である。初めて会った数日後にヘリからバルド−宅に数千の赤いバラを撒いて求婚した素晴らしくも破廉恥な男。まだ20代半ばだったボクは、写真家はそんなに稼ぎがいいものかとおどろき「オレも写真家になればよかった」と本気で転向を考えた世間知らずのサラリーマンでした。

●原発がらみ、日本耐乏の時代
世界的なAge of Austerity(耐乏の時代)に入る/入った国々に、ガッツなく取り残された日本が、巨大震災に量的緩和で財政赤字を膨らまし、かつ増税や電力料金の値上げ(政府が許可するだろう)で国民の耐乏を求めている。浜岡原発の停止で電力不足のしわ寄せは国民の側にある。

当面の財政政策は大筋正しく、浜岡原発停止は文句無しに正しい。ここは地質構造上原発施設が有ってはならない所。津波にゼロ対策、耐震不能の断層という立地条件は日本一の危険地帯。なぜ御前崎市民が、東京都民がもっと激しい撤去デモをしないのか、大事が起これば自業自得とおもえ。

運転停止に至らせるには今がチャンス、菅直人首相が本気なのかゼスチャーなのかヤボなことは問わず、然るべき要請である。賛成。

しかしビル冷房の温度を数度下げ、家庭では裸,扇風機にできるだろうか。蚊取り線香、うちわ片手に縁台でへぼ将棋、ステテコで電車に乗った時代には戻せない。電気代を節約すると家計が助かる低所得層なら質素でガマンの生活によって実益があり、協力を期待出来る。逆に電気代、ガソリン代が2倍になっても片腹痛まない裕福層は耐乏のガマンをするだろうか。

●電力自由化なっても既存各社の地位は安泰
電力会社は地域独占形の無競争である。電力小売りの自由化がいずれ全国一般家庭にも導入されるだろうが、それで電気代が安くなると期待しない方が良い。微々たる差にしかならない。既に電力自由化された諸外国でも、発電事業体である既存の電力供給会社が、基本料金としてバカにならない料金を聴取する。送電線や電力メーターの設置といった工事は既存電力会社の事業であるため、絶対儲かる仕組みになっている。ノルウェーは電力小売り会社と発電送電電力会社の二重請求書となるため、一つにしたいなら既存の電力会社しかない。その方が安い時もある。

●電力会社相互の財政融通は構造的義務
日本の電力会社は専売公社の地域分割といえる。それなら互いに利益を融通し合ったらどうか。財政を融通し合えば政府が浜岡の中部電力停止はもちろん東電を財政的に助ける必要が生じない。東西で周波数が違うため東の電力不足に対応出来ないが、財政基盤があれば東圏内での電力貸し借り二役立つだろう。(了)





Pnorama Box制作委員会

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