安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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チェルノブイリに新支援金、福島は?
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〈 2011年 4月 20日 水曜日 )


●870億円を要請したウクライナ
チェルノブイリが来週25年を迎えるというので、この機会に19日キエフでG8とEUの支援国会議が始まり,22日までに支援額が決まる。ウクライナの大統領ヤヌコヴィッチは、原発の最終処理に7億4000万ユーロ、約870億円が暫定的に今すぐ必要という。支援の主体となるEUは、ユーロが病気のいま無い袖は振れない。1億1000万ドルで会議に臨んだ。

●G8の日本も支援国だが……
バンキムーンやIAEの天野之弥、日本からは高橋外務副大臣が福島第一の事故について説明したそうです。日本にも支援金を要請しては会議の性質上マズイ。しかし副大臣は、福島第一はチェルのビルよりウンとスケールの小さい事故である、風評被害に鑑み安全性を強調したという。それじゃ支援金は要りませんと言ってるようなものではありませんか、実損をもたらすお人好しは困ります。まさか日本が支援することはないでしょうね。

5月末、G8ドーヴィルでの首脳会談に菅首相から支援額を示して要請するべしです。恥じることではない。感謝ばっかりで終りにしないでもらいたい。

●費用が莫大な福島原発処理
チェルノブイリ(以下C)では直後に30人、その後数千人が被爆で死亡したが、福島原発(以下F)では今の所まだゼロだ。Cでは炉心爆発したため緊急措置でセメント固めした。Fでは爆発しないよう施して冷えてからセメント覆いにするのでそれまで1年としても、原発処理の長いプロセスにCよりもっともっとお金がかかるのです。

●石棺で100年のチェルノブイリ計画
Cの支援金というのは、急いでセメント詰めしたため25年経つと鉄骨とセメントがボロボロになり、新しくシェルター、石棺(salcophagus)で毀れた原子炉と使用済み核燃料貯蔵建屋を建設する費用である。この巨大なシェルター(高100m幅250m長160m)は別の所で作り、現場で組み立てる。これで100年は保てるそうです。

●更地まで10年の福島第一計画、可能か?
Cでは今後100年も巨大な石棺として残ることがIAEAも参加する会議で協議される。ところが福島では廃炉と汚染除去に世界の知恵と機器を結集して10年で更地にできる(東芝)という計画案がある。そうであれば福島の勝利、素晴らしいハナシだがホントに可能なのだろうか。(了)





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