安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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クリントン訪日、ざっくばらんに言えば
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〈 2011年 4月 18日 月曜日 )


●日米フレンドシップ
クリントン国務長官が東京で暖かいコンパッションと励ましに来た。民主党政府は感激した様子。野党時代の民主党の底流は対米従属を排し、日本に米軍基地は要らないと無責任に考えることができ、鳩山さんも管さんもそう思っていた。いまじゃアメリカさまさまである。韓国2日訪問の帰途、日帰り訪日の閣僚に天皇に謁見とは不届き千万、中国副主席の事例をつくったらもうなしくずしである。

●有難いことばかりではない米支援
恩を売っておくチャンスがあれば見逃さないのが外交の常識。ゲーツは軍事費用を巡る議会証言で、リビア介入と日本支援への出費が米軍費を押し上げていると、日本人にはハラが立つのか有難いのかわからないような答えで委員を納得させた。では、ハラが立つ方の事情を述べる。

当初は米軍の日本支援「ともだち作戦」に30億円規模だったが倍以上、70億円くらいになったという。これには米独自の調査のため派遣した原子力や放射線の専門家が大勢いて、決して費用のすべてが災害支援に廻されたのではない。

●「おもいやり予算」+基地移設+再編成グアム移転
日本側からは在日米軍への駐留費負担として2010年は1800億円。プラス「おもいやり予算」があり、駐留費用のほぼ全額を日本が払っていることになる。さらに普天間基地の移設先沖縄に決まれば1兆円、米軍再編成に伴うグアム移転に3兆円、値切っても2兆円を積み足しが待っている。ドイツなんぞ基地使用料を払えという意気込みだから殆ど払っていない。韓国は駐留費用の40〜50%を負担しているが、日本はほぼ全額だ。

●「ともだち作戦」と米軍駐留費負担のギャップ
さて「ともだち作戦」が日米関係に良好であることは言うまでもないが、その費用70億円と毎年1800億円プラス「おもいやり予算」を頭において、クリントン訪日を横目でみれば、礼を述べることと、外交は別に考えた方がよい。

●G20、日本復興支援の分担金は協議されるか?
新米外相と30分、弱り目の首相と30分当たり障りのない話しをして、記者会見で「日本国民の強さを見て感銘を受けている。我々は改めて、揺るぎない支援を約束したい」と支援を言葉にしたが、復興支援に拠出するとはオクビにも出さなかった。イラク、アフガニスタンの復興に、インド洋のツナミに日本は大口の分担金を拠出してきたが………。G20で日本復興資支援が具体的に分担金としてアジェンダになるのだろうか、議長サルコジは何も示さないでいる。

東京でクリントンは言った−"Our two governments have agreed to create a public-private partnership for reconstruction.We wish to enhance cooperation between Japan and American businesses, between civil society groups, public officials, under the guidance of the government of Japan, with its planning."

ざっくばらんにヒラリーの意図を言い換えれば「日本政府は復興ビジネスに米企業と緊密な連絡をとれ」、そういうことです。

●韓国2日訪問の帰途、日帰り訪日の褒美
李明博の馬鹿げた大アジアヴィジョンに感銘したオバマは、米韓ミサイル防衛構想、6カ国協議やFTAで熱い米韓関係の強化にクリントンを行かせた。ソウルでゆっくり金外相と、翌朝李大統領と会談し、帰途に日帰りで東京に立ち寄った。お目当ては首長でなくても天皇皇后両陛下と会える好機!陛下と旧交を温める自己アピールだろう、私は他に考えられない。(了)





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