安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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人物往来
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〈 2011年 4月 11日 月曜日 )


●ムバラク
がヘリで逃亡辞任してから2ヶ月、録音をアルアラビアTVが伝えた。静止画の肉声を一言で言えば「ええかっこしい」に終始した保身の嘆き節でした。前日にタヒール広場で大規模デモがあり、ムバラクと政治経済に関与していた二人の息子を裁判に、またムバラク政府に関係のあった者を暫定政府から排除訴追を執拗に要求した。

検察はすでに何度かムバラクから尋問調書を取っている。人民からの訴追デモに弁明の意図があったのか、この期に及んで自己弁護が力を持つと過信しているようだ。検察がムバラクを監視下に置いているからには、シャルムエルシェクの別荘に軟禁されているのだろう、アラブ首長国に亡命したコラム(2月13日)はロシアのガセネタだった。

●カダフィ
アフリカ連合AUはサミットを終えて、南アのズマを団長とする停戦使節団がトリポリを訪問、カダフィが赤絨毯で一同を迎えた。AUはアフリカ既存政権を互いに保持しようとする権力側の立場だから、停戦案はカダフィの停戦案と、カダフィの頼みでトルコが出した調停案とおなじ、良くて息子に禅譲が条件の停戦案だ。

ズマたちは今日11日にベンガジの反体制派の国民協議会と話し合うが、カダフィ一族が居座る調停ではどうにもならない。先にカダフィが一方的に出した停戦宣言は守られた試しがない。よって戦闘は続く。

戦闘は反体制派が天王山とするミスラタと、カダフィ軍が天王山とするアジダビヤで一進一退。この数日は反体制派が押され気味で両市ともカダフィ政府軍が占拠した模様。NATO軍が両市で計30台の戦車を破壊し、反体制派を支援しているが、所詮市民を保護する空爆だけで勝敗はつかない。勝敗は反体制派のバラバラなゴロツキ集団を戦闘部隊に組織化できるか、いつ頃できるかで決まる。

●石原慎太郎の牙
大差で4選とはスゴイ。ロシアでさえトップは3選出馬を禁止しているのに都知事78歳にして4選を果たした。カダフィ、ムバラクには及ばないが、ちゃんとした民主的選挙で選ばれたホンモノの人気である。都民の支持を得られない候補に天罰といえばバチがあたるだろうか。パチンコと自動販売機についての慎太郎発言は大賛成です。節電理由からではなく、かねがね無くて良いものと思っていた。率直に牙を剥く政治家がいなくなって久しい。慎太郎氏は障子紙を破っただけでなく口にも牙がある。率直な牙は恫喝ではない、部下を怒鳴り散らす上司の悪態でもないので誤解なきよう。

東電幹部は役に立たない陳謝を繰り返すが、謝ってもらってハイそうですかと応じられる問題?冗談じゃない。誠意を表わす方法を自問すべし。枝野さんは質問に答えて、批判は当然とか理解出来るとか、努力するとかあまりにもコトを荒立てない配慮が過ぎませんか。中国の広報官ほどドグマ固めでは困るが、少しは中東のスポークスマンを見習ったらどうか。(了)





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