安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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オイルとココアのあいだ
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〈 2011年 4月 4日 月曜日 )


●コートジボアール内戦
コートジボワールCote dユIvorire では選挙に勝った国際認知のワタラ大統領派がシビレを切らして侵攻するや、その殺戮部隊はなんなく国土の大半を制圧した。アフリカの戦争とは残忍な女性レイプと民間人虐殺である。ワタラ部隊はそうやって首都アビジャンに迫ってきた。

●オイルとココアの差
しかしこの民間人虐殺を止めるべく国連決議を欧米は提議しなかった。アフリカ諸国からダブルスタンダードを避難されても宗主国フランスのサルコジ、オバマ、キャメロンは動かない。何故かといえばコート・ジボワールは世界一のココア(カカオ)輸出国だが石油は少ない(埋蔵量はある)。オイルとココアの差が西側の態度に現れた。

●首都攻防戦
首都・海岸のアビジャンに君臨するバグボ大統領は投票無効を配下の憲法評議会に命じてバグボ当選を決めた。大統領府がある首都アビジャンの市民はバグボ支持、ちょうどトリポリ市民がカダフィ支持者であるのと同じ構図である。アビジャンに侵攻したワタラ部隊ははじめてバグボの屈強な治安部隊と戦いを交えたが、押し返された。正規軍は強い。何ヶ月もかけて駆り集めた烏合の若者訓練もほどほどに、急拵えしたワタラ部隊は人数ほど強くない。手こずっている。

だがカダフィ側近の離反や軍人の寝返りと同じことがバグボ側に起こっている。よっていずれ駆逐されるだろう。昨日今日からバグボの居所が分からないらしいが、すでに国外逃亡か。

●手が出せない国連軍
首都警備に駐在していた国連軍は戦闘参加が許されていない。どちらの味方もできず白い装甲車を連ねて撤退、元宗主国のフランスが駐留軍に援軍を派遣してアビジャン空港を管理下に置いた。言うまでもなく自国民保護を優先しての措置。

●象牙海岸
この国はかって奴隷と象牙を売買する港があったので「象牙海岸」独立後は「象牙海岸共和国」と呼ばれ、中国でもそのように書いていたのだが、現在は公用語であるフランス読みを当てて「科特迪瓦」と表記されている。英語圏ではアイボリー・コーストIvory Coast、当地ではノルウェー語でElfenbenskystenと呼ぶ。ドイツ語に似ていますね。

一般市民が大方逃げたあとのアビジャンは略奪と放火で、「アフリカのパリ」と呼ばれた緑豊かで高層ビルの立つ街路、瀟洒な住宅地が殺伐たる姿に一変した。(了)

追記:話しを変えて、台湾からの義援金が100億、四川大地震に贈ったより多くを日本に差し出したことに胸を打たれた。台湾、朝鮮を占領統治した日本は両国の近代化に尽くした。被統治者としてはもちろん素直に喜べることではないが、台湾の親日好感度は日本側善意が通じた事実を示している。怨み節にどっぷり浸かった韓国は・・と思っていたら、孫正義個人が100億を寄付、そのうえ引退するまでの報酬全額を寄付するというではないか。孤児になった児童には18歳まで携帯を無償で支給する。額といい、孤児にたいする繊細な思慮にただ言葉なく、畏みまする。
           実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな





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