安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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イスラム騒擾、金曜の午後
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〈 2011年 4月 2日 土曜日 )


●イエメン、両派最大規模のデモ
イスラムの国では金曜日午後に騒動がおこる。金曜礼拝のあとうち揃って抗議デモに行くのが定例となった。イエメンではこれまで最大規模の街頭デモに発展、街路を埋め尽くした群衆の最後集団がヘリコプターから見えないほどの人数である。サレハ大統領支持者も数万人が首都サヌアの広場に集まり、サレハは「全身全霊を偉大なイエメンに捧げる」と居座り宣言を新たにした。

カダフィ周辺が一族のメンバーも含め次々離反してゆくが、サレハの側近はとっくに大方去ってしまった。それでも入れ替えた閣僚と議会の支持を口実に非常事態法で乗り切る意思は堅い。米英が反乱を支援する気遣いはないといえ、抗議デモの大半は失業者だから、街頭デモに毎日でかけても生活が悪くなるわけではない。サレハ追放のカタがつくまで騒動は収まりません。ま、サレハ体制が変わってもイエメンで就職先が増える見込みは皆無、希望が見い出せないのが哀しいところ。

●アフガニスタン、国連事務所襲撃
アフガニスタン、マジャリ・シャリフ(Mazar-i-Shariff)での、昨金曜午後のデモは国連事務所に向かって至って平和的に行進していたところ、一部にナイフや蛮刀を持ったグループが、警備兵の銃を奪い門内に乱入した。国連関係者8人とデモのアフガニスタン人4人が死亡20人が負傷した。死亡者の中にスウェーデン人ひとり、ノルウエー人ひとりが含まれる。比較的落ち着いた北部で起こっただけに当地では大変なニュースになりました。

抗議の対象は米フロリダの教会であったコーラン焚書(3月20日)である。イスラム侮辱の極ですから抗議は正当、国連事務所前の集会は落ち着いた様子だった、国連警備兵の銃を奪って発砲した一部連中が暴徒化したのである。

先のイギリス緊縮財政発表にロンドンで抗議デモがあった際、黒フードで覆面した十数人がショーウインドウを叩き割ったりスプレーで汚すなど狼藉を働いた。いまでは老若男女、ベビーカーや車椅子を交えた平和デモであっても、少数の暴徒が紛れているのが常である。米戦闘部隊がこの夏から撤退始めたあとアフガン兵が治安をまもれるのか、銃をもぎ取られる番兵ではあまりにも心細い。

エジプトでも金曜礼拝のあと、暫定政府のムバラク色一掃を掲げて自由広場が久々に埋め尽くされた。(了)





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