安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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リビアの独立愚連隊
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〈 2011年 3月 28日 月曜日 )


●3分だけ、支持者に姿を見せたカダフィ
カダフィが日曜の夜、支援のトリポリ市民の前に現れたが演説をせず3分間拳を上げて健在をアピールした。だが3日まえの勢いがない。カダフィ政府スポークスマンのムーサ・イブラヒムが長々と記者会見で独演、「NATOの海上封鎖のため食料医薬品が市民に届かない、市民を守るための国連決議を踏みにじるもの、アルカイダ(反乱軍のこと)は武器とキャッシュを貰ってリビア各都市の市民を攻撃、進撃してきた」と、倒錯した現状理解を示す。

現状はカダフィ軍の支配化にあったベンガジ以西の都市に国際赤十字が入れず、というのはミサイルを撃ってくるので行きたくても行けないのが現状。昨日今日は反乱軍の手に落ちたビン・ジャワドまで赤十字が入れるが、ミスラタやトリポリはカダフィ軍が発砲するので国際赤十字車が入れない。

キャッシュで味方に釣る手口はカダフィがトリポリ中心部市民(政府絡みの受注でカダフィと一蓮托生の民間人)に使っている手口、敵も同じことをしていると思うらしい。

●丸見え砂漠の戦車隊
多国籍軍の空爆で東に侵攻していたカダフィ軍が堪えきれず退却すると道は砂漠の中、GPS誘導の空爆でひとたまりもない。この焼けただれた戦車と装甲車が道路に累々と並んでいるありさまは、クエート侵攻 に米軍(パパ・ブッシュ)の軍事介入を呼び、逃げるイラク軍戦車が何百。も砂漠の国境道路に残骸を曝していた光景を思い起こす。

カダフィ軍 が去ったあとを反乱軍が埋めてゆく。反乱軍は今になってもまだ組 織化がまったく成されず、武器を持ったゴロツキの集団、独立愚連隊にすぎな い。リビアに木口小平(きぐちこへい)いないのである。カダフィの攻撃に対抗するすべもなくただ逃げ戻り、多国籍軍のお陰で戦闘らしい攻防もなく奪還し 西進、天下分け目のミスラタに迫った。カダフィが捕まったとして、ベンガジの暫定リビア政府(フランスが承認)はこれら武器を持っ たゴロツキどもの手綱を捌けるだろうか。前途暗澹のリビア。

●メルケル惨敗
先日のドイツ、メルケルの牙城バーデン-ヴュルテンブルグ州の即日開票結果はメルケル無惨な敗北に終った。緑の党25%と社会民主党23.5%が野党にCDUは38.2%、連立の自由民主党が5.2%。過半数を野党連合に奪われた。原発廃止が決まったようなもの。(了)





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