安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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リビア
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〈 2011年 3月 19日 土曜日 )


●移ろうトップニュース
福島原発がジリジリと終局に向かって、日本は辛い長い春を迎える。各国が100 km圏内を要避難とし、在日自国民の脱出作戦をほぼ完了した。報道量が目に見えて減ってきたところへ、国連のリビヤ決議が採択され、これがニュースのトップに代わった。ロシアと中国が拒否権を使わなかったことに些か驚きました。米はどんな手を使ったのだろう.

決議は単なる飛行禁止空域に止まらず、カダフィ軍の拠点を攻撃してもよい。占領しないことだけが条件で、戦闘機による爆撃、海からミサイル発射、文明兵器ならなんでもありの決議である。それより先、国連決議を催促していたアラブ連合はエジプト側からベンガジの反政府勢力に新しい武器を補給していたが、カダフィの前に風前の灯火だったので、市民は間に合って助かった嬉しさに沸いている。

●明日は大佐だ!
明日はベンガジだ!と勝ち誇ったカダフィ大佐が、決議翌日の18日に「軍事行動即時停止」を発表。戦闘中の軍に通じていないので発表後もミスラタ市内は銃砲が響く。勿論こんな時間稼ぎ策にたいして、作戦を指揮する英仏が躊躇することはないのだが、独裁者は身軽に素早くアイデアを出して世間を翻弄することができる。国連や菅さんのように対応が後手々々に廻らないので心理的に厄介だ。

カダフィの環境は袋の鼠であり資産は凍結、亡命受け入れ国が皆無で、国外に出ればハーグ国際刑事裁判が待っている。生き残りどころかPeople loves meと狂信するカダフィ大佐は政権の永続が頭にある。トリポリ市民と親衛部隊がいつまでloves himであり続けるだろうか。春を待たずに終局を迎えるだろう。

今日、クリントンはじめ欧州首脳・閣僚がパリに集まり、国連決議を同実施するか話し合う。オバマは英仏のリードに委ね米地上軍侵攻に手を貸すことはないが、最大規模の部隊を地中海に配置済みである。当地ノルウェーからは首相が出席、小国ながらAWACS一機、F-16を6機派遣する。(了)





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