安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


-------- ----------------------------------
中国のミッション・大脱出
------------------------------------------
〈 2011年 3月 2日 水曜日 )


●チュニジア国境検問所に雲集する難民
リビアからチュニジアに逃げて避難民が14万人、これだけ多数が一挙に押し寄せるとチュニジア側の旅券審査がパンク、約半数の75,000人が10日までにリビア側に通過したが、次第に増える残りの避難民はリビアとチュニジアの検問所の間でひしめき、何日も待たされている。水道も便所もない,食い物なし、着の身着のまま野宿、パニック状態になりますわな。ヴォランティアーがパンや飲料ペットボトルを投げているが、焼け石に水・大海の一滴だ。UNCTADがそろそろ機能するので、応急対策はとれるだろう。

●脅威の中国人脱出作戦
この群衆の中に中国人がいないのに注目。かれらは早くチュニジア側に出国し、そこで中国役人の指図をまって団体行動が完璧、メディアには一切会わない応じないからどういう手順で脱出したのか、リビアの中国大使館と北京から来たタスクチームが手配したという。中国得意のマスゲームを思わせる。
没個性の一団はおぞましくあるが、お見事!

新華社通信によると28日、中国は4機の「II-76空軍輸送機」をチュニジアに送りどこか、まず第三国へ入国させる。これまで約3万人を脱出させた。月曜日午前10時の発表では2500人が中国本土へ帰還。23,000人が暫定措置として既に近隣のギリシャ、エジプト、チュニジアで滞在所を与えられ、3,000人が途上にある。

これは本国のお迎えが来ない前に、出先中国機関、リビア大使館、がアレンジしたバス、船,チャーター機、陸海空路を動員した中国史上最大の脱出作戦である。イギリス政府がが空軍輸送機をリビアの空港へ数機飛ばし、果敢な脱出作戦が話題になったが、頭数でみれば中国の比ではない。しかも出先で陸海空の便をチャーターしたのである。

ギリシャのクレタ島に1万人、マルタに1,600人、11,000人がチュニジアの島ジェルバに居る。ジェルバは人口12万の観光地、そこへ地方出身のムッツリ中国人が1万人も来たらどうなりますやら。ほかにドバイ、ハルツームに数百人を送り込んだ。こうして第三国で待機する同国人を迎えに上記の輸送機他、船を配船中である。それはよいとして…。

●地中海は軍艦だらけに
船の警護という名目でソマリアの海賊対策に配置されていたフリゲート艦をリビアに向かわせた。いまごろはスエズを抜けて地中海に入っただろう。それより一歩早く、米の空母「エンタープライズ」がスエズを抜けた。ベンガジ沖に停泊する予定。イギリスは休職民地マルタとキプロスに軍事基地を持つ。フランス、イタリアは地中海によそ者が入るのを捨て置けず、海軍を動かせている。カダフィよりも軍船行き交う地中海が静かでありますよう。(了)





Pnorama Box制作委員会

ひとこと言いたいなんでも・掲示板へ
筆者へのmailはこちらまで
HOMEへ戻る