安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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リビアの中国人
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〈 2011年 2月 26日 土曜日 )


●リビアで働く中国人労働者3万6000人
中国では小さなニュースだが、チャーター機で上海にリビアの中国プロジェクトで働く中国人労働者、ごく一部だが帰国した。 トブロクの建設現場で働く中国人は12,000人、中国政府とカダフィ政府の合意プロジェクトのほか、関連企業や民間ビジネスの中国企業など36,000 人の中国人租界がリビアにできていた。

中東に食い込んだ中国政府のプロジェクトに送り込まれた中国人労働者はいったい何十万人いるのだろう、彼等は市街地から離れた建設工事の現場に建てたバラックに住み、現地人と交流しない。摩擦を避けて交流しないように監督しているので、報道されず分かりにくいが、続々と団体行動でエジプトに逃れた中国隊列の映像に異様な印象を受けた。チュニジア側にはトリポリ住民が押し寄せた。

●石油企業は外国人の職場
リビアで働く外国人は石油関係だ。石油関連の下働きや雑役にバングラデッシュやパキスタンなど最貧国から六−7万人、隣のエジプトから50万人以上が出稼ぎに来ているという。彼等は同じアラビア語だから働きやすいが、逃げるとなるとエジプト国軍の避難支援に限度がある。だから個々にバスや歩いて国境を越えるしかない。

西欧人は,混雑したトリポリ空港か早い目に脱出したり、本国からチャーター機や軍用機、船、軍船などの救出支援があり、だいたい逃逃げおおせた。

しかし空路海路ともシャトル運航するなら一番近いマルタ島となる。マルタに来る外国人はリゾート客と決まっていたのに、リビアからの脱出組で小さな島はいっぱいになってしまった。マルタはEU加盟国。中にはリビア人も混じっているので、一旦EU国に入国すればEU内の移動は自由となる。移民問題にあらたな火種とならないともかぎらない。

●カダフィ身辺の出身部族とマーサナリー
外国人には企業のトップから技術者、労働者までいろいろな民間人がいるほか、マーサナリー(Mercenary外国人傭兵)がいる。カダフィの警護隊にいる主に近隣国のならず者だが、彼等はデモに平気で発砲出来る連中、同国人ではないので躊躇しない面がある。一週間前すでに当地に住むリビア人が「市民デモに発砲しているのはマーサナリ−たちだ」と言うのを聞いて首を傾げたのであるが、事実だった。

そういえば、カダフィはパリ訪問の際、身辺ボディーガドにピチピチの軍服姿ウクライナ女性兵士を侍らせていた。前回述べた専用豪華ジェットのパイロットはノルウェー人(彼と家族は無事帰国)、初めのTV演説後乗った小さな特別車の運転手はどう見ても欧州人の感じがした。同国人が信じられない独裁者は身辺警護に外国人を選ぶらしい。カルザイ然り。でもなぜローマ法王のバチカン警備隊はスイス人なのだろう。(了)





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