安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


-------- ----------------------------------
先が読めないムバラク
------------------------------------------
〈 2011年 2月 3日 木曜日 )


●事態を把握できない指導者
ムバラク新内閣発表が民衆の反発をうけたにもかかわらず、一昨日の演説で「9月選挙まで大統領の任を全うする。選挙には出馬しない、なぜならもう十分エジプト国民に奉仕してきたから」そんなふうに言いましたな。このひと往生際が悪いと先日書いたが、この言を聞くともっと悪い。国民のなんたるかを皆目わかっていないDictatorであった。

100万人の抗議は「ムバラク退陣」にある。そこへ、こういうを英雄気取りの退任では民衆の怒りに火をつける発言、なぜムバラクはそのことが判らないのか、イエスマンで固めた政府には諌言できる人間がいない。そうやって30年もたてば、国民に慕われていると錯覚する独裁者に成長する。それがムバラクだ。

当地はカイロと四時間の時差、夜のタハヒール広場が実況で夕方だから、火炎瓶が飛んだり、記者が囲まれて袋だたきになった報道、数千人のプロ・ムバラクデモ隊との衝突が見られる。警察に代って登場した国軍が依然として自重しているが、これは紛れもない暴動、秩序あるデモなど吹き飛んでしまった。ムバラク支持派は初の衝突で優勢だが、日々弱くなるだろう。

●辞任カウントダウン
オバマが支持派デモと退陣要求でもが衝突し石,煉瓦、鉄棒が飛び交う事態になってから「ムバラクさん、直ちに改革を始めるべき」と電話した。余計なおせわだ。9月、エジプトでも秋風が吹くときままで居座れる状況ではない。辞任カウントダウンが既に始まっている。支援国としての義理があるオバマやクリントンの発言は民衆の怒りを助長するのではないか。(了)





Pnorama Box制作委員会

ひとこと言いたいなんでも・掲示板へ
筆者へのmailはこちらまで
HOMEへ戻る