安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ムバラク独裁の終幕
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〈 2011年 1月 28日 金曜日 )


●不満が爆発したエジプト
チュニジア大統領を逃亡させた民衆の抗議に倣ったというよりも、アラブ全域に広がる失業と食料品の高騰が引き金となった民衆の怒りが起こるべくして起こった抗議デモである。アルジェリア、リビア、サウジ、クエートエジプトで繰り広げられるデモは互いに連携してるわけではない。対応もマチマチだが支配者側はすべて独裁者乃至独裁的である。

エジプトの抗議は昨日暴動に発展「街頭デモを行う者は逮捕する」とムバラクの強硬手段にも拘わらず、三日目の昨日は、あれはもう暴動だ。逮捕者はすでに1000人を超えたが、ムバラク退陣を掲げる若者は増えるばかりだ。

プラカードに「空港で飛行機が待ってるよ!」というのがあった。思うにムバラクもベン・アリ同様逃げた方が身のため、現況は統制のターニングポイントを越えている。

ムバラクに関して肯定的なコラムを書いたことがない。デキのよくない息子を後継者にしようと外交場面に顔出しさせていたが、自身も並の軍隊上がり、権力強化に30年を費やして言論統制が最も厳しい国に改造した。

競技場をパレードする部隊を謁見するサダトは銃撃にも起立敬礼したまま、そして倒れたあのとき、隣で着席していたムバラク副大統領はサっと身を伏せて……。それで大統領に昇格。別に選挙をしたわけではない。近年になった一度だけ選挙をやったが、野党にはまともな選挙運動を許さず独り勝ち、ウクライナと同列の結果だった。

ま、独裁的国家の常としてチュニジア、リビア、サウジ同様、野党にまとまりがないから暴動で政府が転覆しても強い新政府の基盤がない。そんなところからエルバラダイみたいなド阿呆がシャシャリでてしまう。IAEAを引退したとき、民衆が是非と推すなら大統領候補に立候補しても良いなどと気取っていたから、このド阿呆が帰国したことにバカにつける薬はないと思うのみ。

さて、一般教書演説でオバマは外交問題にあまり触れずもっぱら米経済の立て直しが中心になった。「チュニジアの民衆を支持する、アラブ世界での民主化と共に米は立つ」と述べただけでエジプトやサウジ他、国名には全く触れていない。ムバラクとしてはアサウジの国王とメリカべったりで米のご希望に応えてきたのに、イザというこの期に助けてくれないのか、と文句があろう。それがド阿呆なのだ。米は恩に着ているから独裁に目をつぶった。それ以上はできない。(了)





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