安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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中国の商談に頼る米
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〈 2011年 1月 20日 木曜日 )


米中首脳会談は50%以上が両国のビジネス契約に費やされた。米企業の中国市場への拡大と、中国が米製品をいくら買ってくれるかについてである。その結果、中国は450億ドルに相当する商品、これにはノウハウも含むを買い付ける。大口購入はボーイング200機,190億ドルである。WHの説明では、これでもって米は235,000人の新規雇用を生むという。

会談前から判り切ったことだが、他の会談アジェンダ、人民元切り上げ、人権、海賊版、イラン、北朝鮮などはホンの形だけ、胡錦濤は聞くだけでまったく立場を変えなかった。オバマの口からLi Xiaoboが出なかったが、事前に会談ではこの件には触れないことで合意していた。

世論調査で中国を「おぞましい」と見る米国民が半数近くになっている。日本のように中国好への感度が80%以下ほどではないが、悪くなっているのはたしか。中国をビジネスチャンスと考えて、中国語熱が高まっているがいずれガッカリする時が来る。そのときまで米政府の対中国政策は政治的にレイムダックであろう。

斯様に米中関係では中国が経済的に絶対的なカードを持っている間は,米の国際指導力はゼロに近い。フランスがルノー幹部の技術漏洩を告訴したが、エアバス首脳が最大のお得意さま中国に気兼ねして必至に宥めている。金の切れ目が縁の切れ目。中国は金の縁が切れないよう米とEUから大型買い付けするわけで、その間、中国に国際常識を遵守せよと要求を貫き通すだけの力を米はうしなった。よって、豪華なバンケットで胡錦濤をもてなし、ご機嫌を伺うのである。(了)





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