● 年末お正月は休みモード
クリスマスイブからオスロにきて、いつの間にやら正月3日目となりました。
年末のTVはどこでも一年の回顧ニュースがメインで似たような話題ばかり、元旦恒例の各国首長TVスピーチは聞いておくべき、あるいは呼んでおくべきかもですね。メドベージェフやサルコジ、メラケルが過ぎた一年と新年の希望をはなす。ごく短いスピーチなのでその気になればネットで探せるのだが、体はどっぷりとお休みモード。これが正月というものだ。
と、居直っていてはコラムにならないので、欧州ビッグリーダーたちのやや暗い今年のポートレートを書いておこう。
●アンゲラ・メラケル
次回選挙では野党が勝ちそう。メラケルはEU保持のためなら嫌でも破産しそうな国にお金を工面しなければならないと考えている。が、国民がついてこない。ギリシャやポルトガルは自業自得だ、オレたちにしわ寄せはまっぴら御免という。ドイツ人はケチですからね。
●ニコラ・サルコジ
颯爽と登場した頃は、地中海沿岸国共栄圏など大ビジョンを売りまくったがただいまの支持率30〜33%ではね。それも経済危機に財政カットの大鉈を振ったがために、野党はおろか保守与党の反対、つまり全国民の怒りを買ってしまった。お気の毒なこと。フランス人はエゴイストですからね。
●シルヴィオ・ベルスコーニ
連立政権は3票の差で保っているひ弱きわまるレイムダックだ。それでも不信任を躱したベルスコーニは間違っている。最近は提出法案が議会でながれてばかり、財政赤字はEUで最大を抱える。イタリア人が怒れば何するかわからんぞ。
●ホセ・ルイス・サパテロ
イラク撤退を公約して首相に選ばれ、撤退したはいいがほかに何をしたのか、失業率20%をかかえて経済はズタズタ。学生や労働者だけではない。年金をカットしたから老人が街頭へでてきた。儲からない国営を民間に払い下げしても赤字はかわらない。体の良い公務員減らしである。Sペインではいつもみんなが文句をいう。
欧州はイギリスが率先して緊縮財政、赤字減らしに乗り出した。絶対正しい政策だ。しかし哀しいかな、欧州の民は政府政策に反対する贅沢が身に染み付いている。2011年は欧州リーダー受難の年である。(了)