● マグロのはなし
ノルウェーでマグロを食べるのはマレである。理由はふたつ、
- ) マグロの群れを一網打尽にはえ縄で捕らえる日本の漁法がない。古来、夏エサを追って海面に群れる所を悠長な一本釣りであげるわけだが、それも他の漁猟で忙 しくないときにしかやらない。白身を最高とする味覚の伝統から、マグロを茹でても旨くない。ステーキにしても物足らずというわけでカン詰フレーク にして輸出していた。
- ) 1960年代初めから当地の本マグロに目をつけた水産各社がはえ縄を教えたが相手にしてくれず、獲れたら売るという殿様商売の漁民に根負け、だって港でマグロ加工船を待機していてもいつ入荷するかわからず、一匹、一匹とびとびに持ち込まれても商売にならず諦めて久しい。また大西洋マグロの激減でノルウェー沿岸にくるマグロは殆どいなくなった。
というような事情の昨今、たまに丸一匹がスーパーに出る時がある。チラシにも出ないが店内鮮魚コーナーで見つけるとチャンスである。安いのだ。家内がどこどこで昨日獲れたトレトレのマグロ切り身を1kg買ってきてくれた。
クジラはいつも冷凍切り身500g箱があるので一度の食事で鯨サシを一箱、平らげることはよくあるが、今日のようにマグロを刺身で500g平らげたのは初めてである。
わたしは当地寿司屋にでるピンク色のマグロは二切れ以上食べない。化学薬品処理で古くなっても鮮やかなピンク色を失わず、腐ってもマグロの実物だ。何度か食品衛生局から指摘されたがあいかわらず出回っている。スーパーにも常時あるがわたしは手をださない。
本日のマグロは新鮮な白っぽい赤身、冷蔵庫に2日入れておくとチョコレート色に変化する類いの自然のまま。こういうのならいくら食べても安心、腹を壊すことはない。
●カンの話し
菅首相が沖縄へ辺野古移設理解を求めて仲井真知事と会談した。鳩山豆鉄砲から再び前自民政権案の辺野古に落ち着いた。これ以外の落ち着き先はないわけで、また沖縄人大多数の理解を得ることも近々は難しい。見込み無しとわかっていても首相なら一年に一度は沖縄へ行って政府の意向を伝える義務がある。TV報道だけで政府の意向は明らかでも、直接首相が顔を見せて地元で喋らないと意味がない。たとえ首相が菅直人であっても然り。首相訪沖の積み重ねに意味がある。
誠心誠意という首相が使った言葉はその政治家にストラテジーがないことを白状するにひとしい。同類用語に神命を賭して、火だるまになってでも、などがある。すべて政治家として無能を広言するにほかならない。
一括交付金という札束で釣るような政治手法は感心しないが、これはストラテジー(戦略的政策)である。そのうちジワジワ効いてきますよ。この問題は仲井真知事が代っても、自民党政権になっても一気に解決すると思えないが、それでよいのです。かなり以前、鳩山時代に書いたとおり、要は沖縄での米軍基地反対闘争が引いてゆくのを気長くまつことだ。日米関係が悪くなるとの評はウソ。日本政府は基地撤廃を掲げているのではない
アメリカ側はかえって有難いと内心ホクホクだろう.日本国内がこの問題で紛糾している間、米軍は普天間をなんの気兼ねもなく堂々と使用でき、しかも基地維持費は日本から現行維持を確保した。アメリカは怒ってなどいない。体面上懸念しているというフリをしているだけ。それも北の無謀と中国軍の脅威に米は日本を頼らざるを得ない現状だ。基地問題をはじめ日本をとりまく北朝鮮中国ロアシアの攻勢が自衛隊に自覚を促すのではないか。そうなれば不幸中の幸いである。
●アサンジの話し
期限24時間を僅かのこしてアサンジ釈放が決まった。英国法廷は形式通りスウェーデンの抗告を受理したが、誇り高い女王陛下の判事は不服理由を認めず釈放が決定した。次回法廷は1月、スウェーデンへの身柄引き渡しを審理する。アサンジ当座の住まいはロンドン郊外にある旧い領主の館、滞在を提供した領主館の主は本職ジャーナリスト、ロンドンでクラブを経営するアサンジ支持者である。(了)