安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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続・アサンジ、ホルブローク、ベルスコーニ
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〈 2010年 12月 15日 水曜日 )


● Julian Assange -アサンジ、英保釈決定と瑞の取り消し上訴
昨日<占いのような私見だが、スェーデン送還は持ち越されるだろう。あとは拘置延長されるか焦点はこれくらいで、送還は来年に持ち越されるだろうとおもう>とかいた。概ねその通りすすむようだ。
法廷はアサンジ側の保釈申請を認めたが、銀行が閉店した時間に保釈金24万ポンド(3160万円)支払いはキツイ。当地では振込が確認された時点で保釈となるが、英国裁判所はキャッシュでなければ駄目らしい。小切手は一週間後に落ちるのでつかえない。アサンジは喜びもつかの間、また拘置所に戻って待機することになった。

前回に保釈が却下されたとき、保釈金全額支払いを申し出た御仁がいた。アサンジ支持を伝えてきた芸能文化実業界の有名人を弁護士が公表しており、金額を揃えるのに問題はないが、キャッシュとなると時間がかかる。

そうこうするうちに躊躇していたスウェーデン警察が保釈取り消しを上訴(不服申し立て)し英裁判所が受理した。24時間以内に審理のうえ決定する。それまで保釈金が用意できても拘置所にいなければならない。

保釈されてもパスポートは警察預かり、常時本人の位置をモニターで確認できるよう足首に発信器を巻き付け、毎日定時に出頭することが保釈の条件である。スウェーデン送還(身柄引き渡し)を審理するのは来年のこと、一旦決まればEU内の犯罪者引き渡しは自動的に進捗する。また英米間には簡素な二国間の犯罪者引き渡し協定があるが、順序としてまずスウェーデンへ送還される。スウェーデンで不起訴になるか、裁判になるかはまだまだ先のこと。何らかの結果が出て、米がたとえスパイ罪で引き渡しを求めても、瑞-米間ではそう簡単ではない。2年かかるだろうと法曹界はみている。

● Richard Holbrooke -追悼リチャード.ホルブローク
ホルブロークが死去し世界中から追悼が寄せられている。まこと外交の「巨星落つ」の感あり。紛争解決への明鏡な洞察と行動力は外交官のワクを破った。なぜこのひとがトラブルシューターとして歴代大統領に望まれたかといえば、クリアな目標と難交渉の説得能力(脅しと強要で平和の夢を語る)にある。ホルブロークにとって国務長官や大統領はミッション・コンプリートのための道具にすぎない。そういう気迫の人であった。

ノーベル平和賞候補7回の常連で、アフガン再建と平和への道筋がたちあがった時には授賞確実とおもわれていた。大動脈亀裂は腹部かなと先回書いたが、心臓のすぐ近くだった。ならば世間でいう心臓破裂ではないか。壮絶にして無念の死に冥福を祈る。

● Silvio Berlusconi -またも不信任を躱したベルスコーニ伊首相
キツネに摘まされたような両院の投票結果、ギリギリ一人二人の投票差で内閣不信任をかわし、ベルスコーニは首相の地位を保持した。

サルコジは人気も華々しさも失い、フラムボイアントと形容出来る政治家は良くも悪くもベルスコーニひとりとなった。金と女と酒が好きな20世紀型最後の政治ボス。イタリア人は外国に恥ずかしいと思うそうだが、自由奔放で憎めないOld Italianの国際人気は高いとおもうよ。

上院では162/308を得票してセーフ.これは予想されていたが負け予想が強かった下院でも311 : 314で辛勝した。ベルスコーニは移民抑制、マフィア粉砕成果を見てくれと強調していたが、議事堂の外ではデモ隊と警察が衝突し、爆発音や火の手が次々にあがり、商店も被害を受けローマは騒然。

おん歳74の億万長者はシワ取り美顔整形と、どこから撮影しても禿げがないように頭髪植毛し、精気を失わないといえ、政治的には連立が崩れて指導力の翳りが著しい。さっそく保守−中道新連立内閣をつくるそうですが、5月ごろに解散総選挙が予想されている。(了)





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