●アサンジ出廷
ウイキリークスのアサンジは今日14日拘置期限切れに伴い2回目の法廷審問を受ける。占いのような私見だが、スェーデン送還は持ち越されるだろう。あとは拘置延長されるか焦点はこれくらいで、送還は来年に持ち越されるだろうとおもう。
●スウェーデン警察の中立性
スウェーデン警察はいまストックホルム自爆テロ事件で多忙、そのためではないがアサンジ逮捕状について大方の誤解を解いておきたい。当局がアサンジ逮捕に米から圧力を受けたことはない。訴えた二人の女性にはというと米の意向が紛れ込んでいるだろうが、警察に対しては米は慎重にならざるを得ない。司法捜査に外国が干渉すれば、他国は知らず北欧の国々にはマイナス効果にしかならない。悪くすればノーベル平和賞選考委員事務長が中国から受けた圧力を、高官の<誰がいつ何を>言ってきたか、みんなバラシたように公言します。
●レイプ疑惑
逮捕状はアサンジ個人の婦女暴行に対する捜査であり、ウイキリークスとは一切関係ない。スコットランドヤードに手渡された逮捕状に調書の英文がついており、これは英メディアにリークした。当地の新聞はスェーデン語のこまかくセックス行為の顛末を聴取した調書原本を入手して吟味.これをスター弁護士に検討してもらいその意見を数ページに書いたりが数日続いたほど。日本のメディアとは当然桁の違う報道量である。
二人の女性は調書でコードネーム「サラ」と「ジェシカ」と呼ばれている。それぞれ3 0代と20代、どちらも活動家でアサンジの信奉者であった。要点だけ述べておこう。
Sarah: 途中コンドームが破れたので、中止を頼んだが……
Jessica: 眠っているときアサンジがベッドに押し入り遂行した。
Assangeは強制を否定しているが、
どちらも相手の意思に反しているところからレイプの対象になる。警察としては起訴/不起訴にかかわらずアサンジの聴取が必要だ。そういう逮捕と送還要請である。
●証明困難な調書
前にも書いたが、こういうのは<証拠.証明>が互いの言葉に終始するためむずかしい。当地のスター弁護士はノルウェーなら起訴困難と分析。
●アサンジ支援網の巻き返し
ビンラデンよりアサンジを敵の筆頭にDead or Aliveと叫んでいた激高がおさまるにつれ、アサンジの犯罪を疑問視する有力者が公式に発言、寄稿するようになった。
▽WP11日にDonユt charge WikiLeaksと題する社説がでた。
ブッシュの司法チームに加わったゴールドスミスが過去のリーク事件を検証して Seven Thougts on WikiLeaksをブログLAWFAREに発表。実際に報道が広がったのはソースを提供されたNYTをはじめ、欧米大メディアが解説付きで報じたからで、罪はNYTが一番大きい……てなことを言っております。
http://www.lawfareblog.com/2010/12/seven-thoughts-on-wikileaks/
▽共和党ロン・ポールは氏の公式サイトRonPaul.comでアサンジは米の被害妄想を明らかにしたと、大変リベラルである。
▽昨13日にはハバードの政治学者スチーブンワルトは「WPのボブ・ウドワースがもしアサンジがやったことをすれば訴追されまい」と痛い所を突き「官僚が世論を情報操作するため極秘情報を漏洩し、敵を悪く自身をよく見せ、あるいは同僚を貶めたり大統領の歓心を買う。官僚がアサンジの活動に激高するのは不誠実である」と。
わたしはアサンジ個人は虫酸の走るイヤな野郎で応援するつもりはない。システムとして氏の活動については上記の諸氏に同感です。
●元スタッフ、オープンリークスを開設
アサンジと袂をわかったウィルキースのスタッフたちが結束して競合するサイトOpenleaksを開設する。リーダー格はDaniel Berg. 13日
ミラーサイトは既に500を越したそうで、当地最大の新聞ダグブラーデも先日ミラーサイトを開設した。日本の大新聞ではUnthinkableですね(了)