安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


-------- ----------------------------------
今日のニュースから
------------------------------------------
〈 2010年 12月 12日 日曜日 )


●ポンジー詐欺マードフの息子自殺
2年前、Ponzi scheme(ねずみ講)による500億ドル詐欺で禁固150年刑をうけた投資家マードフを覚えていますか。その息子のマーク・マードフ(46)がちょうど二年前の父逮捕のこの日にマンハタンのマンションで自殺していた。欧州大銀行からの融資と、米有名人から募った投資金が使われ、いくら残っているのかマードフは法廷で具体的に明かさなかったので、財産没収されたが、およびマークが経営するロンドンとニューヨークの投資会社にの資金が流れていた疑いがあり、検察が入る矢先のできごとである。

妻と義父にメールで2歳の子を引きとりにきてくれるよう頼んだ。メールは当日の朝四時に出されていた。義父がマンションに駆けつけるとマイクは愛犬の紐で首を吊っていた。2歳の子はベッドですやすや眠っていたという。

<自分が居ない方が妻にも子供にもいいだろう>とかんがえたのではないかとある友人が語っている。死ぬことはなかっただろうに、父と違って神経は細かったようだ。

●ホルブロック重体
オバマのアフガン・パキスタン特使リチャード・ホルブロック(69)がWTの大学病院に急搬、と緊急ニュースが入った。大動脈亀裂と書いてあるが、腹部だろうか、家族も呼び寄せられたほどの重体。WHは後継特使の人選にはいったもよう。ホルブロックのがむしゃらな行動ぶりはボスニア紛争の調停に奔走した際つとに有名である。ヘリでバルカンの指導者を電撃訪問次期談判開けくれた。ミロセヴィッチの能弁に言い負け、あとで激怒して当たり散らしたことなど、この紛争を深くルポしたイグナチエフの著書に彼の性格がよく描かれている。

ホルブロックはアフガンでも同じ調子で米のプランを押し付けたが、カルザイはミロセヴィッチより一枚上の国粋だった。初対面から大げんかの末、その後カルザイは義務でおざなりに会うだけになった。その辺りの事情は、いま呼んでいるKai Eide (98-20年国連アフガン特使、米英の圧力で解任)の回顧録(ノルウェー語板のみ)に詳しい。

ボスニア紛争ではデイトン合意を成し遂げ紛争地のエースと期待されていただけに、何の成果もなしに去る淋しい結末となった。ホルブロックの力量不足ではない。あきらかにオバマの人選ミスである。

●ブッシュ減税を2年延長した変節漢オバマ
オバマはクリントン元大統領とバーナンキの助けを得て、ブッシュ減税措置の2年延長を決めた。まさかのまさか、大統領前と大統領就任後で180度の転換、金持ち減税は許さないと、それで黒人層と底辺アメリカ人と全米左派の支援を受け大統領に当選したのだが……。共和党の囮になったとの批判にオバマは囮は米国民である。米国経済と雇用増出のためと答える。背に腹は代えられないということか。クリントンは日本の(空白の10年)のようになりたくない、と説明する。バーナンキは経済回復には先の包括量的緩和に更なる資金供給が必要になろうという。まだドルを印刷するつもりだ。基軸通貨だからかんたんに言えるが、はた迷惑を考えてほしいね。減税据え置きでクリスマス商戦が活況になるとの予想から、NY市場はアップした。目先の相場と国家経済を一緒にするバカがいるんだな。米は限りなき不健全金融政策のエスカレートに嵌まった。

●ベルスコーニ不信任、今回は躱せまい
イタリアでは政府の緊縮財政にベルスコーニ辞任要求の全国デモがおこなわれた。現今の支持率30%。上下両院ではべるスコーニ不信任の審議にはいる。政界生き残りの達人も年貢の収め時か。米のようにリラを増刷できません。逼迫時にはベルトを締める、これしかない。(了)





Pnorama Box制作委員会

ひとこと言いたいなんでも・掲示板へ
筆者へのmailはこちらまで
HOMEへ戻る