●授業料3倍値上げデモにチャールス巻き添え
ロンドンでは19日授業料3倍値上げに抗議するデモが朝から議会採決なった夜遅くまで寒中焚き火などして気勢を上げ議会広場で警備隊と衝突。そのとばっちりを受けてチャールス皇太子とカミラっさんが乗ったすぐそれと判る車が襲撃され窓ガラスを割られた。マイクに「チャールスだ」という声がきこえ、確信犯である。でもなぜ一行がデモの中を通ったのか、迂闊軽率である。授業料を一機に3倍に挙げるとは緊縮財政の一環としても学生には大学を続けられるか死活問題である。
●着物が似合う根岸夫人
ストックホルムで行われた平和賞以外の科学賞記念バンケットに根岸夫人が着物姿でした。今年ヴィクトリア王女と結婚した新郎のダニエル君と着席、親しげに歓談する姿をTVでみました。
●平和賞セレモニー
オスロ市庁舎ホールでノーベル平和賞授与式がおこなわれた。コミティー委員長のヤグランが素晴らしいスピーチをおこなう。この人は議員のとき、首相のとき、指導力が伴わない最低の評価でした。かく言う私も過去かなりヤグラン批判を書いてきた。しかし驚いたな、バランスのとれたそれでいて強烈な中国体制批判であり、開かれた社会を中国に迫った。英語が達者といえないヤグラン一世一代の名演説である。会場1000人の招待客はたびたびスタンディング・オーベーションで遮られる。
He does not do anything wrong. He must be released.この言葉に聴衆ははじかれたように起立拍手。最後に劉暁波が座る空席に賞状とノーベルメダルが置かれ不在を際立たせた。
● I have no enemy
このあと往年の女優リブ・ウルマンが劉暁波が判決の前日に手渡したアピールを朗読。「私は敵をだれも持たない。誰にも憎しみを抱いていない」。教職を追われ、著述を禁止され自由を奪われて何度も投獄されながら、このことば。ネルソンマンデラも獄中おなじような見解を述べている。現代の日本人には歯の浮くようなウソとしか理解されないだろうが、人権と民主化運動に命をかけるバックボーンはやはりしみったれた敵対感情、劉暁波のいうEnemy Mentalityを持ってはならない
という基本的態度である。表現、発言の自由は真実の母とも言いました。
●妻へのラブレター
エッセイには妻・Liu Xiaへの愛の告白が挟まれており、ローゼンバーグ夫妻の往復書簡を思わせる切々たる妻への手紙である。美人が涙をのを見て、はたどなか、あとで知ったがハサウェイという米女優で、土曜日釈放の音頭をとり議会で採決したナンシー・ペロシも涙ぐんでいましたな。『独房に注ぐ太陽の光を貴方に托し、体の隅々まで暖めてくれる。たとえ我が身が灰燼に帰すとも灰のわたしは貴方を抱きしめる』ウーム、こんな獄中記にはただ絶句するしかない。
●CNN,BBCの特集番組
引き続き市庁舎の会場でCNNの平和賞アンカーを数年務めているジョナサン・マンがヤグラン、ストーレ、アメリカに住む反体制派中国人らにインタビュー、BBCではハード・トークのスチーブン・サッカーがヤグランにインタビュー、これでノルウェーの立場は中国チベットを除く世界に伝わった。
さて中国のノルウェー反応はますます嫌悪になるのは明らか。おそらく2年くらいは両国文化事業やEFTAはたなあげされるだろう。(了)
授賞式の夜グランドホテル前に集まった松明行列の人々。バルコニーから手を振る劉暁波が獄中のため壁面に写真が投影している。なお最終的に欠席したのは16カ国に減ったというニュースあり。