水曜日にオスロから帰ったとたんに体調を崩し、死に体となる。骨の節々が痛く喉がヒリヒリして咳が辛い。火曜日に点の誕生日を祝う立食パーティーがあり、大勢の中に混じることが久しぶりだった.免疫が弱いのだろう。こんなことなら家内と一緒に予防ワクチンをうけておけばよかった。
午後はやばやに「死んだらおあとよろしく」と家内に声をかけて寝室へ.長電話中の家内は「いってらっしゃい」とかろやかに宣うて片手をあげる。まいどの儀式だが,この3年ほど酷い風邪をひいていない。久しぶりのルーチンであった。調子が悪いと通風がぶり返し、鎮痛剤を飲む。今日木曜日は歯医者の日だったが電話してえんきしてもらう。ずっと寝た甲斐あって悪寒はおさまり節々のいたみも和らいだ。では錯綜した頭で雑記しよう。
●ノーベル平和賞ボイコットの国々
中国は20カ国が中国に賛成して授賞式のボイコットに加わったと大変ご自慢のようだが、実際は中国を含めて19か国である。判ってないね。検証しよう。 * Russland *Kazakhstan *Colombi
*Tunisia *Saudi Arabia *Pakistan *Serbia *Irak *Iran *Vietnam *Afghanistan *Venezuela *Filippinene *Egypt *Sudan *Ukraina *Cuba *Marokko
ロシアは中国の干渉など眼中にない。他国からの人権民主化運動には拒否するいつもの姿勢。カザク、チュニジアは中国ビジネスが凍結するのが怖いのと、独裁政権への脅威を排除となるため。エジプトは独裁、野党は一議席のなし。イランイラクに平和はない。平和賞などかかわりたくない。キューバは例年不参加。ヴェネズエラ、コロンビアは米と仲違いしているので中国の圧力がなくてもボイコットする。刻々それぞれお国の事情でビオコトしたのであって、中国の圧力に屈したのは商談破棄を示唆され国益を優先したセルビア、フィリピン、ヴィエトナムくらいだ。
●中国の圧力に従わない国々
中国と関係の深いインド、韓国、インドネシアが中国の脅しにめげず出席を決め、BRIKSの重鎮であるブラジル、来ないだろうと思われていた南アフリカが出席を決めた。中国は横つらを叩かれたのであって、19カ国が中国に賛同し、「100におよぶ国際社会の大多数が欠席する」と中国報道官自画自賛したが、どこから100カ国が出たのか明かさない。オリンピックではないぞ。オスロに大使館を持たない小国家はもともと授賞式に出た試しがないのである。我田引水もいいところだ。
●欠席は例年に比しわずか
通常は50カ国の出席が今回44カ国になった。中国のなりふり構わぬ圧力のため減ったのはわずかである。2008年文句無しの受賞者フィンランドのマッティ・アティサリの授賞式でさえ10カ国が欠席した。今回もノルウェー国王はじめ皇室が出席し、劉暁波氏の席は空席のまま写真が飾られる。
●中国の締め付けと中国バッシング
カンクンで気候変動第16回会議が採取日を迎えた。コペンでかっこ良く振る舞い大もてだったオバマをはじめ、荒れだけ各国首長が集まった今年1月の15コペン大会にくらべ、やってきた首長はただ一人、ノルウェーのストルテンベルグだけである。環境大臣とずっと詰め最終コミュニケを調整中。でこの機会に中国代表と会談が予定されていたが、中国側は理由無くキャンセル。二国間のEFTA協議は棚上げされた。中国側にメリットが大きいEFTAなので、そこまで追いつめられているということか。
すでに中国とチベットではBBC,CNN,NRK(ノルウェーのNHKに該当する)が封鎖され、受賞後に選考委員会委員長のヤグランと外務大臣ストーレがCNNのインタビューを受けるが中国では見せられませんな。昨日は国際記者の一団を前にヤグランが「中国の反応が劉暁波受賞の正統性を示している」とこたえていた。BBCから取材に来たシンプソンが中国の反応をBizzarre(異様)と形容するなど、授賞式は一面中国叩きの趣となろう。当地ではいま中国のコンテナを一斉検査、偽物ブランドや、危険で粗悪なオモチャなどすべて没収している。輸入元の当地会社は恥ずかしいのか一切苦情がないという。
●劉暁波を犯罪者にする単純明快な理由
ではなぜ中国がBIZZARREなまでに劉暁波に反感をもち犯罪者にしたてあげ国家転覆罪11年の刑を科するのかといえば、チベット独立、新疆ウイグル地区の独立を主張しているから、これだろう。だから拘束力のない米上下両院の劉暁波釈放決議に必要以上に反応する。当地の記者が先日北京で報道官に質問したとき、例の女性報道官が「この場を中国の悪い噂の場にするなら忘れろ(とっとと出て行け)」と後進性まるだしでエライ剣幕。(了)