安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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オバマとベイマー、NO WAY
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〈 2010年 11月 4日 木曜日 )


●アイク、クリントン、ブッシュも経験したネジレ議会
米中間選挙の結果をクリントンがおなじように下院を共和党に奪われたが、うまく方向転換し共和党を協調路線に乗せたことが引き合いに出される。方向転換は政治手法の器用さではない。スモールトークができるかできないかである。つまり、人付き合いのよいクリントンは野党の誰彼とも気を許して話ができるが、オバマは小さい時から仲間と一緒にあそんだり、長じて酒、(お茶でも良い)を前にうちとけて無駄話をした経験がない。ニコっと笑うのは身に付いたサーバイバルの知恵でいま営業用に活用しているが、あれをTVで見てきさくなやつと勘違いしたんがフィーバーのはじまりでした。

クリントンはあの敗北でウルサイ筋を呑み込む指導力を身につけ国際世論を味方にした。ま、ウルサ方でなかった日本には不親切でしたが。ブッシュは二期目の中間選挙でやはりネジレ議会の憂き目にあっている。すでに人望を失いたいしたことはできなかったが、謙譲に議会運営をこなした。アメリカボンボン育ちのブッシュは恨みを根に持つ性格ではない。

●オバマとベイマー、NO WAY
オバマの敗北スピーチ/記者会見を見ていると、言葉でこそ謙虚に敗北要因を認めているが、あの調子では議会運営は困難。これまではナンシー・ペロシに任せておけばよかったが、クリントンには遠くブッシュにもおよばないオバマが院内総務になるベイマーと……ヘルスケア……考えるだけでも絶望的だぞ。共和党のオバマ政策反対がやりすぎだとマイナスがではじめるまでは絶望的。オバマのスピーチは上手でも国民の視線で話しかけることができない。そのためだとおもう、無党派層が背をむけ、平常ならありえないフラスト族によるティーパーティ運動がわき上がったのは実権についたオバマが国民と乖離したからではないのか。

●不可能な雇用回復、真摯な政府姿勢の瑕疵
雇用がアジェンダNo.1とされるが、10%の失業率をかこつ国は欧州にも多々あるわけで、だからといって選挙で野党が大躍進なんてことにはならないのだが、米中間選挙ではそうなった。失業増大はリセンションの寄生虫みたいなもんで、有効な政治的対策は少ないことを失業者も知っているから、良くならなくても政府がマジメに取り組んでいる姿勢を見て感じてもらうことが肝要。不治の病人は尊大な名医より、話しを良く聞いてくれる親切なヤブ医者をえらぶ。政府の対話不足とオバマの聞きべたが事態をわるくした。

エコロジー、エネルギー、グアンナナモ、世界最高最強の教育機関、そんなことはできなくても国民は気にしない。お金をつぎ込んで破産の住宅金融業界、銀行金融業界や自動車業界を国有化状態にして再建したって自慢になりますか。気前よくつぎ込んだ財政赤字はどうするつもり?世界の自動車業界は大して補助を受けなかったドイツ車でも軒並み業績を上げ、日本車の売れ行きも良い。チェコのスコーダは今年度上半期60%増という。

●鬼の来ないところで財政出動
新たな財政出動が下院共和党多数によって難しくなった。それで議会承認を要さないFRBが6千億ドルの国債買い入れを決定、この金融緩和でまたぞろドル安の傾向はとまらない。中国にものいえないわけだ。(了)





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