安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ノルウェー外相、中国大使を召還
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〈 2010年 10月 16日 土曜日 )


●ものには限度がある
劉暁波にノーベル平和賞授与されてから一週間がたった昨日、ノルウェー外相ストーレJonas Gahr Stoereは中国大使を召還、両国の関係をマヒさせる一連の措置はいったいどういうつもりか、どこまでやるつもりか、ものには限度がありますよ、と率直に中国の考え方を糾し、会談は長時間におよんだ。キャンセルされたノルウェー漁業相の公式会談などの理由についても満足な答えは得られなかった。

大使の答えは中国政府の見解、先日報道部長が「犯罪者に賞をあたえることは中国の法制を踏みにじるもの、賞は中ノ関係を損ない、中国国民を侮辱(愚弄)した」と述べたノルウェー批判をくり返すにとどまった。外務省建物前に集まった記者団に応じたストーレ外相は不機嫌である。

●政府は選考委員の決定を全面支持
報復措置を考えているか,との質問に:中国のやったことに同じような措置を我々は考えていない。平和賞の授賞式が行われる12月10日まで中国の頑なな姿勢は続くだろう。劉暁波氏の釈放をMUSTと伝え、軟禁されている妻の劉霞さんを解放するよう要請した。また、ノルウェー政府は選考委員会の決定を全面的に支持していることを大使に明確にした。

当地の漁業相が中国の相手方との会談を上海空港に到着してからドタキャン、されたこと、もう一つの食品衛生局長との会談は相手を副局長に格下げしたことは前にのべた。その後万博の両国文化行事もドタキャン。水産物のセールスキャンペーンは中国側参加者はじめ一般客で賑わった。

●文化行事もキャンセル
リーバックという今年の欧州グランプリで優勝した歌手(バイオリン奏者)を主役に総勢100人のチームによるオペラの中国公演が予定されていた。これを一週間前に中国側から「歓迎せず」とキャンセルしてきた。身障者をテーマにした人道的な演し物がダメなのかも。もうひとつのバレー団の公演はキャンセルされていない。こちらはイプセンの「人形の家」を少人のバレリーナが演じる。イプセンの演し物は中国古典になっているほどですからOK
なのかな。

さて当地の反響はいまひとつ、劉暁波への授与を大変誇りにおもい、中国の態度は代償として甘受しているように見える。

●順法と無法を使い分ける
もうひとつあっと驚いたのは当地の女子学生がいい仲だった中国人に殺され、犯人は中国へ脱出、国際指名手配の犯人は中国で自首、拘束中だった。この犯人が昨日釈放されたというニュース。事件はチェコの学生寮で起こったのでチョコ警察が捜査書類を持っているのだが、中国では死刑が適用される犯罪であるため、チェコは捜査書類の送付を拒んでいる。死刑のない欧州各国の法的慣習でありどうにもできない。

自白だけでは起訴出来ない。それはそうだが、中国は証拠がなくても自白だけで有罪にした裁判がありませんでしたか。頷けない。(了)





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