安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ノルウェー制裁に躊躇する中国(2)
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〈 2010年 10月 12日 火曜日 )


●漁業閣僚会談をドタキャン
先日、ノーベル平和賞について、発表数日前から中国外務省に知らせてから一週間以上経過してもまだ制裁がない、と書いた。それで当地の漁業大臣が予定通り両国の漁業会談に出発したのだが、上海空港について迎えの領事館員からキャンセルを知らされた。オスロの漁業省に知らせるべきところを間に合わなかったのか、まさにドタキャン。当地外務省はドタキャンの理由を糾したり、平和賞選考は独立機関で政府と関係ないことを説明している。まじめというか、一党共産国家には通じないと解っていても通すべきルールとおもう。

この会議の議題はノルウェー側から不法漁船の取り締まり、小魚の不法投棄など漁業の国際ルールがテーマであった。中国が歓迎しないテーマであり、制裁で厄介もの会議をカットしたのが真相だろう。

●ノルウェー水産物輸出は好調
ノルウェー水産製品に関しては中国の出方がまだわからない。ノルウェー漁業省の機関「水産物輸出振興会」というJETROが魚に特化した組織があり、上海には10人くらいのオフィスがある。上海所長と振興会のトップは、中国の水産物輸入業界との日常ビジネスは普段と変わらないと答えている。

ノルウェー産サケ・マス不買運動を政府が画策しても、平和賞が理由では中国市民はついてこない。かつてのフンス製品ボイコットのような事態はない。

食品衛生局との公式会談は予定通り、キャンセルされなかった。しかし中国側は副局長が会うと格下げの対応。こちらの方が屈辱的制裁かもしれないが、大臣(女性)は気にせず予定をこなすとの由。ジーパン、ジョッギングシューズ、自分でスーツケースを転がして上海にきた大臣は気負のない人。万博北欧館の催しを楽しみにしているという。

余談ですが中国万博を訪問中のウェーデンのプリンセス夫妻が大人気らしいですな。

●不愉快、かつ動じない政府
ということで2年前から始まった両国のEFTA交渉は通産大臣の次期交渉がまたぞろキャンセルされるかも。しかし2012年をメドに遅れることはないという政府の予想。現在、輸出水産物に中国がかける10%の関税が2%になる二国間自由貿協定である。当地の養殖業会は交渉の遅れが気にかかるといえ、政府の見解は楽観的……中国にもメリットが多々あり協定はWIN WIN ,実利の中国が反故にすることはありえない。(了)





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